人工知能のための哲学塾

著者 :
  • ビー・エヌ・エヌ新社 (2016年8月11日発売)
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感想 : 20

心とは何か、という古くからの問いに人工知能が答えることができるかもしらないということに面白さを感じた。脳のリバースエンジニアリングが現在進んでいるがこの本を読むとどうもそれだけでは人工知能を搭載した人工人間は作れなさそうと思った。仮に人工知能ができたとしても、人工知能自身を自己と認識させなければならないからだ。本書では体が受けた刺激をコピーして行動との架け橋を作ることが提案されているが、確かな糸口はまだ見つかっていない。現在最も有力だと言われているニューラルネットワークだが、単に脳と脊髄、それから末梢神経を再現する回路を作るだけでは解決できなさそうだ。個人的に、この問題を解決するのは本書でもあるように現象学だと思う。フッサールの言う指向性を人工知能に持たせればよくて、あとはその指向性を持たせる方法を半ば逆探知機器のように探していけばよい。じゃあ、どんな方法を取ればよいのかということはやはり哲学なしには解明できないだろう。自分もそういう分野に興味があるので頑張って勉強しようと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年8月6日
読了日 : 2018年8月6日
本棚登録日 : 2018年8月6日

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