"葵" ヒカルが地球にいたころ……(1) (ファミ通文庫)

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本棚登録 : 746
レビュー : 86
著者 :
制作 : 竹岡 美穂 
恵賭 -keito-さん ライトノベル(´・ω・)   読み終わった 

あらすじを見てあまり興味はひかれなかったのだが、"文学少女"を思うと無視することは出来なかった。
躊躇しましたが結局は作家買い。

若くして死んでしまったイケメンリア充(ヒカル)に取り憑かれた、女性に免疫のないコワ面の同級生(是光)。
ヒカルが思い残した願い(主として女性関係と思われる)を叶えるために是光が奮闘するのがお話のベース。
一巻ではヒカルが本当に愛していたという女性(葵)に是光が代理で愛を伝えるのが目的になります。
(本当に彼女を一番に思っていたかは続編を待たないとわかりませんが)
ヒカルの存命中のあまりに浮ついた女性関係から、嫌悪感を抱いて是光の言い分を受け入れない葵。
打ち解けていく中で、互いに友達のいなかったヒカルと是光の間に生まれる友情。
コメディータッチの中で、それぞれ登場人物たちのトラウマが謎を残し、影を作っていきます。

このあたりは"文学少女"と同じですね。過去の文学作品をネタにしているところも同じ。
よく言えば安定している、悪く言えば新鮮さが乏しい気もします。
キャラクターも意外性はなくて、どこかで見たような感じも受けますが、そこは野村美月さんが相変わらず感情豊かに描いていて意外と飽きさせません。
手放しに賞賛はできませんが、つまらなくもない。
評価はこの後の展開次第でしょうか。
幽霊という題材をコメディーで扱っている分、"文学少女"よりラノベ調が強い気がします。
イラストもいかにも少女的で、恥ずかしくてちょっと外では読めないです。

私は文学作品に疎いので、源氏物語は授業以外で読んだことはないし、裏設定で入っているという名作も多分知らないと思います。
なのでほぼオリジナルとして読んでいますが、ネタを知らなければわからないような箇所もなく安心して読めました。
(もちろん元ネタを知っていれば、より深く読み解けるはずだとは思いますが)

この物語の最大の謎はヒカルが何故死んでしまったのか。
それは続編で徐々に明らかにされていくのではないでしょうか。
気味の悪さから成仏を手助けする是光が友情を育み、ヒカルの願いを叶えたい気持ちと、成仏してしまう悲しみの葛藤がいずれは起きるだろうと思います。

最後に「ヒカルが地球にいた頃」という壮大なタイトルがついていますが、これも最後には何かしらの意味を持つのではないでしょうか。
"文学少女"みたいにね。

レビュー投稿日
2011年7月11日
読了日
2011年7月11日
本棚登録日
2011年7月11日
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