表題作は正直に言うと、私の知っている村田沙耶香さんじゃないと感じた。変わった設定だけれども、理解のできる範疇なので。魔法少女といえば「地球星人」で、もっととんでもないものを期待してしまった。
しかし、秘密の花園、無性教室、変容と読み進めるにつれて、村田沙耶香さんの世界観に痺れてしまう。長編小説に比べてしまうと物足りないところもあるのだけど、こっちの日常が変なではと思えてくるのは本当にすごい。
特に「変容」。なんとかホームパーティやら、まみまぬんでらやら、言葉や表現は奇抜に感じる。でも、人間の性格にも流行があり、そしてそれは誰かに作られているって、フィクションではないのでは?という気になってくる。
恋をしない結婚しない子供を産まない若者。子供を産み育てることこそが人生の全てという諸先輩方。その流行ってどこから来たんだろう。
「本当に怖いのは、世界に喋らされている言葉を、自分の言葉だと思ってしまうことだ。」とあったのは「地球星人」。
世界に喋らされている変容の人物たち、世界に抗っているのは無性教室の高校生たちとミラクリーナ。
自分はどっちなんだろう。どっちでいたいのだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年4月2日
- 読了日 : 2024年4月2日
- 本棚登録日 : 2024年2月6日
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