PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話

4.22
  • (75)
  • (77)
  • (19)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 977
レビュー : 90
boompanchさん  未設定  読み終わった 

ピクサーCFOとして、IPOを成し遂げ、基盤を作った影の立役者のお話。
どういう経緯で中道という見方からピクサーを位置付けるようになったかのという物語でもある。

スティーブ・ジョブズのアップルとは違う一面が見れてとてもおもしろい。そこまでエッジが効きつつも失敗続きでアップルを追い出されたスティーブが、クリエイティブと事業のバランスを身につけ見事に成功につなげたのがピクサーであり、その成功体験が生きてアップルでのiphoneに繋がったという見方には大いに賛同できる。そういう意味でも面白い本である。


以下個人的なメモ。


ストーリーが1番大切

ピクサーは凄まじい才能が集まり、皆凄まじい努力をしているのに、やることなすこと失敗か将来の展望が得られないものばかり

ピクサーの事業状況
・レンダーマンソフトウェアは技術が評価されて多少売れているが、長期的な展望はない。
・コマーシャルアニメはギリギリ利益が出るか出ないかで回しているのでお先真っ暗
・短編アニメーションはマネタイズできない。
・長編映画はディズニーがお金を出してくれているが、利益は吸い上げられ、自由度も逃げることもできない不平等か契約がある

スティーブに対してあれもこれもダメと事業をこき下ろしたが、一つとして反論や言い訳はなく、不信感を抱くこともなかった。2人で前に進んでいるようだった。

トイストーリーの製作は初のCGアニメーションで、作ること自体が半端じゃない難事だった。

大企業が指をくわえている間にスタートアップに市場を荒らされるのは、文化がポイントだ。なぜならイノベーションは集団の成果だから。

スタートアップは、ストックオプションがインセンティブとなるが、ピクサーは配布詐欺状態となっており、にも関わらずスティーブはIPOを急ぎたいと折り合わない。
何とか少しでもストックオプション割合を増やし割り当てを増やした。

トイストーリー成功後、守りに入りたくなったが、ハリウッド流に従わず、映画製作に関しては監督とチームがクリエイティブな判断を全て行うことにした。経営幹部の承認は不要。

不平等契約解消のため、収益配分を半々に引き上げ、クリエイティブな判断の権限を有し、公開時期を決められるようにしするところまで認めてもらうことができた。
しかしピクサーブランドの確率はディズニー アイズナーCEOは譲らなかった。
しかしそこで他の条件のため譲歩をしなかった。

一旦交渉は破談となったが、アイズナーが株を持つことでブランド価値向上も認める方針転換をし、対等な契約を実現した。

その後ネクストをアップルが買収、スティーブへ社長復帰の打診がかかった。
ピクサーはスティーブに多大な影響を与えた。ビリオネアになり、世間をあっと驚かせる復活をし、エンタメ業界の清濁を知った。
今までLisa やマッキントッシュなど、市場を無視した製品で失敗し続けてきたが、ピクサーでは現実とクリエイティブの優先順位の折り合いを上手につけるようになった。

ピクサーで実現したのは、想像的世界と事業の現実の中道だった。

レビュー投稿日
2019年9月12日
読了日
2019年9月12日
本棚登録日
2019年8月27日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『PIXAR <ピクサー> 世...』のレビューをもっとみる

『PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』にboompanchさんがつけたタグ

ツイートする