なぜ、それでも会社は変われないのか 危機を突破する最強の「経営チーム」 (日本経済新聞出版)

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boompanchさん  未設定  読み終わった 

日本的組織の特徴は「予定調和」、結論ありきの組織運営であり、その問題は前例踏襲で深く掘り下げる思考をしなくなることである。
これが組織の安定を重視する大企業を根本から支える文化だが、低成長を抜け出し非連続な価値創造を生み出すには「挑戦文化」に変える必要がある。
その要として経営陣(役員チーム)に注目し、共感力をベースとして当事者意識を持ったチームに変えることで変革を推進していくことを提唱している。

これまで何十年も風土改革に携わってこられた著者柴田さんの本の中で本書は、役員チームというレイヤーに焦点を当てた点が新しいと思います。個と個の信頼関係を築き、本質的な改革をする、その一番泥臭いところをハンズオンで支援されてきたからこそ見える泥臭い知見に大きな価値を感じます(頭出しと3章)。

個人的な感想としては、役員をチームとして機能させることで変革がドライブされるような企業の前提条件がどんなものなのか掘り下げが必要だと思いました。
本書の中で取り上げられる事例は、「社長の出身事業のクロージングというタブーへの切込み」なわけですが、これはある意味忖度の世界の問題です。しかし本質的な事業変換、特に既存事業を否定するような変革が本当に役員をチームかすることで可能なのかという疑問があります。このレベルになると経営者の強烈なトップダウンがほぼ全てではないかと思うからです。

大企業に限らず、経営に携わる方々、もしくはそこへアプローチできる方々には、役員のチームかという命題を考える上で一読の価値があると思います。もやもやする部分もありますが、議論の呼び水になると思います。


ネタバレになりますが、以下のリンク先で役員チームが機能する条件について掘り下げていますのでご覧頂けたらと思います。

https://www.boompanch.info/post/00067



以下内容メモ
◯経営層を真のチームにする(プロセスデザインのプロセス)

1. 社長インタビュー: 社長が会社や役員に対して抱いている思いや考え方、会社の方向性や課題を整理して文章化
2. 役員インタビュー: 社長(スポンサー)の思いを共有して率直な気持ちを話してもらう。最初の段階は弱みを見せ、問題点を口にできるようになること。
3. 社長と共有: 役員インタビュー結果をマインドマップ(問題意識が表出)にまとめて共有。
4. 合宿: 30分/人の人間としての個人を出すジブンガタリ、社長は冒頭だけで退出してもらう、予定調和のない議論。会社変革の起点になりうるのは自分たちしかいないと自覚し、当事者レベルを高め、本気のチームづくりの出発点とすること。
5. 社長への報告: アクションプランの合意まで行ければ良好

・ヒアリングをもとに作ったマインドマップを役員で一緒に見ると問題意識を共有できる、決して自分1人じゃない。
・そして自分の仕事には責任感があるものの、評論家の立場で自社の将来に対して真の当事者になりきれていないことがわかる。
・役員の状況は、バラバラがいいと思っているわけではなく、協力してくれる人がいるかわからないとあう不透明感、言い出しっぺにはなれない。お互いの心の内をありのままに知ることが必要。
・目指すものに集団で向かうことでチームは生まれる。その質である突破力は超戦力(どれだけプロか)×連携性。


◯なぜ企業価値が高まらないのか
・社員に変われといいつつ自分が変わらない経営者
・集団秩序を守るための作法の中では仕事優先順位がつける発想が持てない、目的を考えずどう上の言うことをやるかという手段を考える
・トップダウンが強い欧米企業で高い生産性が実現できるのは、上司と部下が人として対等で部下からの問い返しがあり、コミュニケーションによる合意形成があるから。
・改革や新規事業には混乱がつきもの、安定化作用はこれを押さえ込み、環境変化に対して対処療法的なアプローチになりがち。売上がじりじり落ちコストカットで凌ぐ


◯挑戦文化に変えるには
・挑戦文化の核は考える力、簡単に答えの出ない問いに向き合おうとする姿勢

・最低限必要な価値観
1. 目指すものを持つ(できるできないではなく、意味や価値)
2. 当事者になる
3. 事実実態に即す
4. 意思決定のルールを共有する

・最初から詳細な計画を作るのではなく、おおよそのゴールイメージ(ありたい姿)を描き、まずその山を登り途中でまた修正する。
意味、目的、価値を問い続ける姿勢
・評価の仕方も変える必要がある。価値観を体現する人を評価していく。

レビュー投稿日
2020年4月20日
読了日
2020年4月20日
本棚登録日
2020年4月20日
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