企業恐喝をテーマに「人間」を描いた傑作。
上・下巻、おまけに各ページ(イントロは違ったような気がしますが)上・下段あるという恐ろしいボリュームの小説ですが全く苦になりません。
当時の編集者にグリコ・森永事件関係の担当者がいた事もこの小説を書くきっかけになったそうです。犯行の手口等は実際の事件の手口をなぞったものになっています。
そのあたりがあまりにリアルに描かれているため作者は実は実行犯の関係者ではないだろうかと思えてきます。企業恐喝をテーマにしたサスペンス小説なのですがその他にも部落問題や警察組織内の軋轢やその他もろもろのサブテーマ(決して軽くはない)を描いています。非常に重たいテーマを一気に読ませる筆力はさすがです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー、サスペンス
- 感想投稿日 : 2009年12月6日
- 読了日 : 2009年12月6日
- 本棚登録日 : 2009年12月6日
みんなの感想をみる