- 「おとなしい人」の完全成功マニュアル 内向型の強みを活かして人生を切り拓く方法
- 西剛志
- ダイヤモンド社 / 2024年6月13日発売
- 本 / 本
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200ページ弱ですごく読みやすい。
様々な心理実験や脳科学の知見を基に書かれているので、とても説得力がある(巻末に参照ページがある)。
ビッグファイブ理論や内向型(外向型)の特徴について、簡潔ながら分かりやすく説明されていて腑に落ちることも多い。
簡単な心理テスト(これがQRコードからスマホで出来るので便利)や自分を阻害している思い込みを消去できる体操!まで紹介してあり、とても参考になった。
(体操といっても、視力回復の練習みたいなので簡単にできる)
2025年5月10日
- ゼロからはじめるInstagramインスタグラム基本&便利技 改訂新版
- リンクアップ
- 技術評論社 / 2024年5月25日発売
- 本 / 本
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既にインスタをある程度やっており、もう少し突っ込んだことを知りたいと思い読んだので、やや物足りない。
ただ、本来、全くの初めての方が、ステップアップして一通りのことが出来る事が目的であろうから、そういう意味では全てカラー写真で丁寧にスマホ画面の遷移にそって、説明があるので分かりやすいだろう。
この本自体は昨年は刊行されたようだが、既に実際のインスタ画面は変わっており、変化の速さには驚く。
2025年5月10日
ミステリというのすら微妙。
演劇専門の女子高校で起きた女子高生の事故死事件。半年後その親友が入学してきて、事故の原因を探る、という設定はミステリっぽい。
しかし、死んだ女子高生の友人・知人を通して明かされるのは思春期女子高生の長々としたドラマ。
しかも、探偵役?の視点で物語は進むが、途中で関係者視点となりそこから事件を含めてその過去のトラウマなどが長々と語られる。
いくつか”真相”らしきものはあるが、あまりにも退屈な内容で最後まで読むのがきつかった。
女子高生の日常がメインで、そこに”事故”が影を落とし、それをきっかけに人間関係に変化が訪れ、再生と和解と成長の物語という感じ。
降田氏の他のミステリを期待して読んだので大外れだった。
2025年4月14日
- ゼロから学べる フリーランスとスモールビジネスのためのWordPress & SNS Web集客実践講座
- 泰道ゆりか
- ソーテック社 / 2023年2月3日発売
- 本 / 本
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何(HP?SNS?)を使って、何を(販売?アドセンス?)していくのか、それがハッキリしていれば役に立つ。
私みたいにWEB(HP)を使用することで、それをマネタライズしたい、という漠然とした視点から参照すると、当てはまらないことも多かった。
やはりWEB関係の実用書は、その目的の入り口も出口も多いから自分に合ったものをしっかり見つけることが大切と痛感。
2025年4月11日
- 終の市 (ハーパーBOOKS)
- ドン・ウィンズロウ
- ハーパーコリンズ・ジャパン / 2024年6月18日発売
- 本 / 本
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前作でのハリウッド篇を受けて、今回はギャングと切っても切れないラスベガス篇。
と言ってもバグジー・シーゲル以来のギャングが暗躍する世界ではなく、それらが一掃された世界で、実業家としてダニーが突き進む様子が描かれる。
主人公がアイリッシュ系ギャングという事で、ギャング物、ハリウッドやラスベガスを舞台にするから「ゴッド・ファーザー」との相違点が取りざたされるのは当然だろう
しかし、こうして3部作を読んでみると、この作品は、アイリッシュギャングのファミリーの一員として生を受け、そこで育ち、それ以外の価値観や規範を持てない男が、それ以外の世界で生き延びようと格闘し、もがく物語であり、ドラマとしての側面が強い。
最後に収まるべきところに収まり、物語は終わるが、ほぼ50年の時を経て、オープニングに戻っていく構成は見事で、ダニーの生涯、その生き方を象徴するラストには感動すらおぼえる。
(若干、後日談が不明なキャラもいるので、そこらは映像化の際に追加して欲しい)
これでドン・ウィンズロウは引退らしいが、これだけの作品を残せるのだから、正直、こんな大作出なくても、多少レベルは下がっても、まだ作品を紡いでほしい。
これだけ傑作、しかも映像化向けの作品が多いのに、そのあまりにもスケールの大きさゆえか、なかなか映像化の話が進まないのが本当に残念。
2025年4月5日
まずは、ブックデザイナーである筆者のライフスタイルの密度に驚かされる。
それを支えているメソッドを公開しているわけだが、その部分は正直「習慣にしよう」、「それぞれをくっつけよう」等、多くの習慣化の本などと変わらない。
むしろ後半の、様々な考え方の方が簡潔で面白く読めた。
とてもドライな部分もあって、心から納得できるものも、ん?というものもあるが、それは人それぞれだろう。
筆者は映画好きとあって最終章に「Perfect Days」に関して、ご自分のライフスタイルと照らし合わせて意見を書かれている部分があって、ここらは映画に対する受け取り方が自分とはかなり違っていて、それもまた楽しい。
2025年4月1日
- イチからはじめる Canvaビジネス活用入門
- 山本和泉
- 日経BP / 2024年12月16日発売
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しっかり目的をもって使うなら、いい本です。
Canvaを使うシーンを色々想定してあって、詳細に使い方を説明してあります。
カラーだし分かりやすいのですが、一部有料Canvaの説明もあるので、仕事などでしっかり使う方向けかも知れません。
ま、本のタイトルもそうですしね。
2025年3月29日
- 陽炎の市 (ハーパーBOOKS H195)
- ドン・ウィンズロウ
- ハーパーコリンズ・ジャパン / 2023年6月15日発売
- 本 / 本
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シリーズ2作目。
命からがら逃げだしたダニー一派が、サバイバルから一転する。
映画「ゴッドファーザー」の内幕を描くようなハリウッドの虚々実々が描かれており、自身映画化作品があるドン・ウィンズロウだけに、ウィットとブラックユーモアが効いた文章でハリウッドが描きこまれる。
映画ファンだと、実名もどんどん出てくるので実に楽しめる。
ただ、「犬の力」などの3部作を期待すると、趣がだいぶ違って中だるみに感じるかもしれない。
鮮やかな出だしで始まり、ラストも上手くつながっていて巧みなプロットに多彩なキャラの絡み合いを楽しめる。
2025年3月25日
- WordPress超入門 改訂2版 (たった1日で基本が身に付く!)
- 佐々木恵
- 技術評論社 / 2022年4月14日発売
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既にHPを作ったので、その知識の補強の意味で読んでみた。
自分が最初に数冊読んだ入門書に比べると、部分部分の説明が妙に詳しかったら、サラッと流されていたりで、これではHPを作るのは難しいと思う。
レンタルサーバーの借り方やテーマの選び方などは最初にしっかり考えるべき部分だが、ほとんど触れられていない。
かと言って、すでに作ったものから見ると、さほどプラスアルファでの学びはあまりなかった。
カラーで読みやすいのは良い。
2025年3月15日
- 自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法
- 大愚元勝
- アスコム / 2023年3月30日発売
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大愚和尚によるメンタルアドバイス。
仏教的視点から、自分の持つ様々な葛藤に対しての考え方を説明してある。
心理学的、脳科学的にも明らかになっていることも多く、ここらは仏教(哲学)が実生活に役立つゆえんであろう。
とても平易な文章ながら、心の奥底に潜む闇を照らすようなことも書かれており、考えさせられることもあった。
大愚和尚は、今ではYoutuberとして有名だし、曹洞宗を離れて佛心教という新たな一派を作られてカリスマ化しつつあって、ここらには違和感を感じることもあるが、この本のアドバイスはとても役に立つと思う。
2025年3月15日
ゲーム性の強い賭けを行うことになる女子高生たちが主人公で、ここらは作者の従来の世界観と似ている。
あくまでも高校生の日常の中に、ロジックだけを取り出したような難問(事件)が現れ、その謎を主人公が鮮やかに解いていく…。
「体育館の殺人」シリーズは、それが殺人事件であったが、こちらは、(賞罰をかけた)ゲーム。
そういう意味では、少し「カイジ」などに近いかもしれない。
5つの短編が緩く繋がりながら、それぞれに独立したゲームでの勝負が緻密に描かれてあり、そのロジックの精密さに引き込まれる。
「図書館の殺人」で傘1つから推理を展開させた作者の才能には驚かされたが本作でもその論理構築の世界を十分に堪能できる。
そして、何より、相変わらず文章が上手い。
読みやすい文章で、多少デフォルメされてはいるものの、今どきの高校生を爽やかに描き(しかも女子高生!)、伏線を張りながら賭けを描き込み、かつ読後感は文句なく爽やか。
そして最後のシーンは映画のように鮮やかで見事。
当然、彼女たち(そして生徒会の面々)の活躍をまた読みたくなる(この作品はドラマ化されそう)。
2025年3月8日
- 業火の市 (ハーパーBOOKS)
- ドン・ウィンズロウ
- ハーパーコリンズ・ジャパン / 2022年5月18日発売
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「ゴッドファーザー」をジャンル分けしにくいように、この作品もジャンル分けしにくい。
NYの外れ、狭いエリアで共存していたアイルランド系ギャングとイタリア系ギャングの友情と反目、抗争を描いている。
そのきっかけが一人の女性から、というところが話のポイント。麻薬でも金でもない。そこが話のサイズを象徴しており、従来の「犬の力」などとは大きく違う。
長く共存していたことから、2代目達は小さい頃から一緒に育った仲間・知人で会ったにもかかわらず、やがてそれぞれのコミュニティに属するギャング(と言っても日本の小さな任侠ヤクザという感じ)になって、互いに望むことなく闘いに身を投じていくさまがリアルで、切ない。
オープニングのパーティシーンがどこか「ゴッドファーザー」とダブる。
2025年3月8日
- はじめてのCanva マネするだけでプロっぽくなるデザインのルール
- mikimikiwebスクール
- KADOKAWA / 2024年3月13日発売
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Canvaの具体的な使用法が多く載っている。
それが、どちらかというと商用デザインを作るための例題が多く載っているので、デザイナー初心者の方やチラシなどを作る際には参考になりそう。
フォントなどが詳しく載っているので、手元に置いておくにはいいかもしれない。
2025年3月1日
- メルカトルかく語りき メルカトル鮎シリーズ (講談社文庫)
- 麻耶雄嵩
- 講談社 / 2014年5月15日発売
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まさにメルカトルシリーズらしい短編集。
どこまでもロジックな展開ではあるのだが、それぞれの”解決”は通常ではありえないオチ。
しかし、これがメルカトルとなると何となく受け入れられる。
魅力的な”謎”が提示され、探偵がその謎を”解決”するのが探偵小説とすれば物足りなさはあるが、”解明”だけであれば、楽しめる。
そんな短編を5つも集めただけでやはり作者の異才ぶりは十分うかがえる。
2025年3月8日
- 「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問 (PHPビジネス新書)
- 細谷功
- PHP研究所 / 2020年3月19日発売
- 本 / 本
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物事を抽象化してみると良い、というより、抽象化してみる人もいれば、具体化してみる人もいて、そこを認識していないと、理解に至らない、というのには納得。
実際、そう感じるシーンは多い。
ただ、結局トレーニングというほどのモノでもないし、この内容にこのページ数が必要だったとは思えない。
何十回も出てくる図式も大同小異で同じことの繰り返しだし。
作者が具体化の権化のように扱っているAIに要約させれば、すごくシンプルでいい内容になったのでは?
2025年2月23日
- 砂の狩人 (下) (幻冬舎文庫)
- 大沢在昌
- 幻冬舎 / 2005年8月2日発売
- 本 / 本
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狩人シリーズということで、前作の梶が主人公かと思えば、別主人公作品。
前作は脇で主人公を支えた新宿署の佐江が元刑事の西野と一人称を交互に担っており、二人が主人公となっている。実は佐江がこのシリーズの共通項のよう。
話は複雑で、連続殺人犯、キャリア夫婦、犯人を追う元刑事、新宿を拠点とするヤクザ組織、九州のヤクザ組織、ヒットマンチーム、華僑グループ…そのそれぞれが立場が変わりながら、闘い、殺し合い、共闘するという、読んでいても時々混乱するほど精緻なプロットとなっている。
そのそれぞれの硬い想いがなだれこむラストはまるで映画作品のよう。
一級のハードボイルト作品となっているが、なぜか大沢作品は女性との絡み、特に恋愛や濡場になると途端にバタ臭くなるのが残念(新宿鮫も彼女が出てこなくなって俄然よくなったし!)。
2025年2月23日
- 世界はラテン語でできている (SB新書 641)
- ラテン語さん
- SBクリエイティブ / 2024年1月7日発売
- 本 / 本
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この作者のエッセイを何かで拝見して、とてもユーモラスな論調でラテン語について書かれていたので本書を読んでみた。
ラテン語が、現在の多くの言語や文学その他にとどめている痕跡を丁寧に説明されていてとても面白い。
作者の博学ぶりには本当に驚かされる。
読んでいて楽しいのだが、英語の勉強をしている学生時代に出会っていれば言語の勉強にもっと身が入ったと思われる。
2025年2月21日
- 北の狩人 (下) (幻冬舎文庫)
- 大沢在昌
- 幻冬舎 / 1999年8月25日発売
- 本 / 本
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「新宿鮫」と同じ、新宿を舞台にした作品。
主人公のキャラもよく出来ているし、主人公を取り巻く刑事、ヤクザもしっかりとキャラが立っている。
ハードボイルド作品ながら、プロットも精緻で、読んでいてどんどん引き込まれる。
大沢氏の作品は、主人公と女性の絡みだけが、変に物語から浮いているのが残念で、本作もそこだけは違和感があるが、「新宿鮫」よりは抑えめかな。
白石監督あたりで映画化してもらえないかな。
2025年2月10日
- 北の狩人 (上) (幻冬舎文庫)
- 大沢在昌
- 幻冬舎 / 1999年8月25日発売
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感想は下巻。
2025年2月10日
- これからのWordPress SEO 内部対策本格講座 効果が出ないサイト改善のための手引書
- 瀧内賢
- 秀和システム / 2022年2月18日発売
- 本 / 本
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SEO対策のみに特化した解説書。
Wordpressにおいて、どのような対策を講じればいいのか、プラグインも含めて詳細に説明してある。
実際にSEO対策の会社を経営されているだけに説得力がある。商用のサイトを運営する方には最適だろう。
2025年2月10日
- 推しの殺人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 遠藤かたる
- 宝島社 / 2024年2月6日発売
- 本 / 本
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冒頭、殺人が起きる。そこから回顧形式で物語が始まるが、事件が起きるまでが長いし、話に意外性もなくほぼほぼ想定内で終わる。
文章はスムーズだし、セリフがしっかりしているためにキャラもうまく描き分けられている。何より地下アイドルの光と影が印象には残る。
…しかし、これが「このミス」受賞作品?
読みやすい中編サスペンスという感じで、標準の出来。
2025年1月11日
- 誰が勇者を殺したか 預言の章 (2) (角川スニーカー文庫)
- 駄犬
- KADOKAWA / 2024年8月1日発売
- 本 / 本
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前作とは別の4人組パーティの闘いの物語。
今回も色々な証言を元に少しずつその活躍?を浮き彫りにしていく。
最初は、最悪の金目当てのパーティだが、その実は…という展開で、相変わらず凝った構成ながら作者の文章力が高いので、きっちり描き分けられたキャラとその冒険譚を楽しめる。
そして何よりも、後半になって前作のパーティも登場する構成は見事で終わり方も鮮やか。
どうしてもインパクトがあった分、前作の方が評価は高くなるが、今作も完成度が高く、作者の次の作品が楽しみ。
2025年1月25日
- 黄土館の殺人 (講談社タイガ)
- 阿津川辰海
- 講談社 / 2024年2月15日発売
- 本 / 本
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地震により孤立化した館での連続殺人。
凝っているのは、館と関係者が滞在する近くの温泉旅館それぞれで事件が起き、それが微妙に絡み合っていることで、様々な伏線が張り巡らせているうえに、謎解きも緻密。
なのに、今一つ楽しめないのはキャラが魅力に乏しい事。ここらは好みなのだろうが、キャラがデフォルメされてはいても、どれもありきたりでセリフにも現実感がないため、全く感情移入できない。
作者がフェアに伏線を張ってるがゆえに、結構事件の謎の多くは分かってしまうし、肝心の犯人も簡単に想像できてしまうのは残念。
過去シリーズのキャラと絡みが結構持ち越されているので、以前の作品を読んでいるとより楽しめる。
2025年1月11日
本格というか、これまた特殊設定ミステリー。
舞台が紀元前のエジプト、しかも主人公は3日限定で現世に戻ってきて、自身の〝欠片〟を探すと言うシュールな設定。
当時の風習や庶民生活、宗教観など、緻密な取材がうかがわれるし、いくつもの謎や伏線もしっかり回収され読後感も爽やか。
一方で無駄なキャラ、説明調なセリフ、違和感のある言い回しもあって好みが分かれそう。
作者の次回作に期待かな。
2024年12月8日