ブラジル蝶の謎 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (1996年5月7日発売)
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本棚登録 : 586
感想 : 53
5

 表題作は犯人像と華麗なトリックが結びつかない気がした。引き際を心得た犯人と往生際の悪い犯人がいるが、今回は後者。
 「妄想日記」の新作文字が面白かった。
 「彼女か彼か」の入れ替りトリックは見抜けた。手掛かりが多かったせいもある。たまには勝たせてもらわないと、読む意欲が減退する。
 「鍵」はタイトルからして同名の谷崎作品のように艶っぽい話なのだろうと予期しながら読むと、犯人も鍵の用途も見抜けた。
 「人喰いの滝」は解決部分を読んだ後も、犯人が面倒な策を弄する意味が解りにくかった。
 巻末「蝶々がはばたく」、足跡が消えた理由の見当はついたが、チリ大地震と関係があるとまでは思い至らなかった。タイトルでバタフライ効果に触れているのに、気づけよ、自分。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2022年5月16日
読了日 : 2022年5月13日
本棚登録日 : 2022年5月12日

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