ロストジェネレーション以降の社会動向や若者動向を、新自由主義という切り口から分析する本。
社会現象を論理的に解析しつつ議論を組み立てていくため、正直のところ読み易くない本です。
ですが、90年代以降の若者論がともすればステレオタイプ的に解釈されがちであるからこそ、あえてこのように慎重かつ丁寧に分析することも求められているのではないかとも思います。
高度経済成長の終焉に伴い、市場の弱肉強食的な価値観が強化される時代であるからこそ、そこにとらわれない承認関係に基づく人間らしさが求められる…とまとめておくのが、本の論旨に比較的近いといえるのではないでしょうか。
「ウェブ社会の思想」とはうって変わり(?)、サブカルはそこまで言及されていないので、サブカル論として読むと肩すかしかな…?とは思います。
ただ、サブカル畑の人間には共有しやすい問題提起とは思うので、読んで損はないと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
社会学
- 感想投稿日 : 2013年3月23日
- 読了日 : 2013年3月23日
- 本棚登録日 : 2013年3月23日
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