- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784811322537
作品紹介・あらすじ
女房はそれを拾った。とてもきれいだったからだ。京極夏彦のえほん遠野物語。百年をこえて語りつがれる「怪談の原点」が絵本でよみがえる。
感想・レビュー・書評
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漢字変換すると「迷い家」。
柳田国男さんの【遠野物語】を絵本化した一冊。
文は京極夏彦さんだが、元の民話・伝説のもつ不思議さを生かしてあり、いつもの饒舌な京極節はなりを潜めている。
挿絵も怪しい雰囲気をよく表していて、しかも遊び心があって楽しい。
よーく見るとあちこちにお化けがいる。
読み聞かせにも良いかもしれないが、「こういう話があるそうだ」という、もやっとした結末なので、高学年以上に。
約8分。丁寧にゆっくり絵を見せて。
たまたま山で迷ってその家に入り込んでしまった女性に、その後不思議に良いことが起こるという話で、それ自体は怖さはない。
ただ、静かな文体が奇妙な世界観にひと役買っていて、読後じわじわと来る。
家そのものがひとつの生命体となっている話なので、どこかで誰かが(何かが)自分をじっと見つめているような感覚がある。
都市部の、どこもかしこも四六時中清潔で明るい家では、何も棲みつかないだろうから、この感覚は怖いながらもどこか懐かしくもある。
【遠野物語】を読む入り口としても適しているかも。
読後、何故かみちのくを旅したくなる話。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
遠野物語 柳田國男 京極夏彦
山中の幻の家,迷い家。貧しい女が立派な屋敷に辿り着く。逃げ帰った女の所に屋敷の椀が流れてきて裕福になる。無欲な人に幸運が舞込む不思議な話。 -
遠野物語の中で好きな話。欲なく幸せになれるところにホッとする。
因果応報でないところに、怖さがある。 -
遠野の白望山は不思議な山だ。
山の大きさを図ることができず、時には歌声や大木の切り倒される音が聞こえ、夜なのに明るくなることがある。
人を迷わせることもある。
ある貧しい家の女房が、あるひ、まよいがに入り込む。
絵のそこかしこに、あやかしたちが機嫌良くひそんでいる。(なるほど、近藤薫美子さんでしたか)
妖怪というより、妖精のよう。
まよいがの住人は、気まぐれで気のいいものなんだろう。 -
京極夏彦さんが文、近藤薫美子さんが絵の遠野物語えほんシリーズ。
タイトルを勝手に「迷い蛾」と脳内変換し、妖怪のお話かと思ったら違いました。
おそらく異次元モノの「迷い家」でした。
何か1つもらってくるとお金持ちになれるのか~。
蛾じゃダメなんだね。
このお話は、チャンスを逃しても当人が無欲だったことから、チャンスのほうがまたやってきたお話でした。
ガツガツしすぎてもダメか。 -
7分30秒
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「女房はそれを拾った。とてもきれいだったからだ。京極夏彦のえほん遠野物語。百年をこえて語りつがれる「怪談の原点」が絵本でよみがえる。」
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京極さんのお名前と、表紙の印象からこわいはなしかと身構えて読んだら、めでたしめでたしな終わりかたでした!
身の丈に合った生活というのが教訓なのかな。