まよいが (えほん遠野物語)

著者 :
制作 : 柳田国男 
  • 汐文社
3.64
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本棚登録 : 228
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811322537

作品紹介・あらすじ

女房はそれを拾った。とてもきれいだったからだ。京極夏彦のえほん遠野物語。百年をこえて語りつがれる「怪談の原点」が絵本でよみがえる。

感想・レビュー・書評

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  • 漢字変換すると「迷い家」。

    柳田国男さんの【遠野物語】を絵本化した一冊。
    文は京極夏彦さんだが、元の民話・伝説のもつ不思議さを生かしてあり、いつもの饒舌な京極節はなりを潜めている。
    挿絵も怪しい雰囲気をよく表していて、しかも遊び心があって楽しい。
    よーく見るとあちこちにお化けがいる。
    読み聞かせにも良いかもしれないが、「こういう話があるそうだ」という、もやっとした結末なので、高学年以上に。
    約8分。丁寧にゆっくり絵を見せて。

    たまたま山で迷ってその家に入り込んでしまった女性に、その後不思議に良いことが起こるという話で、それ自体は怖さはない。
    ただ、静かな文体が奇妙な世界観にひと役買っていて、読後じわじわと来る。
    家そのものがひとつの生命体となっている話なので、どこかで誰かが(何かが)自分をじっと見つめているような感覚がある。
    都市部の、どこもかしこも四六時中清潔で明るい家では、何も棲みつかないだろうから、この感覚は怖いながらもどこか懐かしくもある。

    【遠野物語】を読む入り口としても適しているかも。
    読後、何故かみちのくを旅したくなる話。

  • 遠野物語 柳田國男 京極夏彦
    山中の幻の家,迷い家。貧しい女が立派な屋敷に辿り着く。逃げ帰った女の所に屋敷の椀が流れてきて裕福になる。無欲な人に幸運が舞込む不思議な話。

  • 原作:柳田国男、文:京極夏彦、絵:近藤薫美子と言う結構豪華な絵本です。読友さんのレビューを見て図書館で借りてきました。原作のどの部分にあたるのだろうと新潮文庫版の「遠野物語」も一緒に借りてきて調べてみると、物語の33、63がこの絵本にあたる部分で33は前半の金のひしゃくと金のといで、63がまよいがでした。(原作のほうは64にこの続きが若干書かれているのですが。)新潮文庫版のほうはまだ私には難しく感じたのでまたの機会に読んでみたいです。不思議な物語の伝わる岩手県の遠野市、一度は行ってみたい場所です。
    近藤薫美子さんの絵も花や木々やいろんな所に妖精(妖怪)?らしきものが多々混じっていたりして怖くはないのどけれどそれなりの雰囲気が出ていてすごく文とあっていると思いました。

  • 遠野物語の中で好きな話。欲なく幸せになれるところにホッとする。
    因果応報でないところに、怖さがある。

  • 遠野の白望山は不思議な山だ。
    山の大きさを図ることができず、時には歌声や大木の切り倒される音が聞こえ、夜なのに明るくなることがある。
    人を迷わせることもある。

    ある貧しい家の女房が、あるひ、まよいがに入り込む。


    絵のそこかしこに、あやかしたちが機嫌良くひそんでいる。(なるほど、近藤薫美子さんでしたか)
    妖怪というより、妖精のよう。
    まよいがの住人は、気まぐれで気のいいものなんだろう。

  • 5分前後

  • 京極夏彦さんが文、近藤薫美子さんが絵の遠野物語えほんシリーズ。

    タイトルを勝手に「迷い蛾」と脳内変換し、妖怪のお話かと思ったら違いました。
    おそらく異次元モノの「迷い家」でした。

    何か1つもらってくるとお金持ちになれるのか~。
    蛾じゃダメなんだね。

    このお話は、チャンスを逃しても当人が無欲だったことから、チャンスのほうがまたやってきたお話でした。
    ガツガツしすぎてもダメか。

  • 7分30秒

  • 「女房はそれを拾った。とてもきれいだったからだ。京極夏彦のえほん遠野物語。百年をこえて語りつがれる「怪談の原点」が絵本でよみがえる。」

  • 京極さんのお名前と、表紙の印象からこわいはなしかと身構えて読んだら、めでたしめでたしな終わりかたでした!
    身の丈に合った生活というのが教訓なのかな。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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