綿々と描写が積み重ねられ、省略や時間経過も少ない為、読んでいて息が詰まる。物語も堂々巡りで閉塞している。なんとも爽快感が無い。
「Kは、役所と生活とがこの土地ほどもつれ合っているのをどんなところでもまだ見たことがなかった。役所と生活とがその場所をかえているのではないか、と思われるほど、この両者はもつれあっていた。」
という一節がある。この小説は概ねこの説明につきる。
著者のパラノイア的な一人語りに付き合わされているような気がしてきて、気持ちが重くなる。さらりとフォトリーディングする位でちょうどええ、と感じた。
からまった糸のような面倒なことの連続。思えば、仕事も暮らしも人生も、城の世界と大差ない気がした。
映画化作品があるなら探して見てみたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2015年11月15日
- 読了日 : 2010年1月29日
- 本棚登録日 : 2010年12月9日
みんなの感想をみる