戦争と平和(二) (新潮文庫)

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本棚登録 : 541
レビュー : 34
著者 :
制作 : 工藤 精一郎 
葡萄森兄夫さん 海外文学(古典)   読み終わった 

 ピエールは、妻エレンにちょっかいを出したドーロホフと決闘。彼を撃ち倒す。ピエールは秘密結社フリーメーソンに入信。結社の儀式も描かれる。一方、ピエールの妻エレンは、社交界で好き勝手に日々を送る。ふたりの生き方、価値観の違いが鮮明になってゆく。ニコライ・ロストフは、賭博でドーロホフに大負け(恐らく彼奴の罠にはまって)。一夜にして莫大な負債を抱え込み、眼前が真っ暗になるロストフ(恐ろしや…。4万3千ルーブリとは如何程の額か? )。その後ロストフは戦場へ。そして、負傷したデニ―ソフを探し野戦病院へ。死臭に満ちたその惨状。 
…この巻では、これらのことが印象に残る。

 そして、この巻の終盤、第五部(9章)からのナターシャの激情。ぐいぐい読ませる。
アンドレイと婚約したナターシャであったが、アンドレイは1年後の再会を告げて旅立った。彼を待つ日々、ナターシャは、アナトーリ・クラーギンに誘惑され、駆け落ちを企てる。ナターシャはまさに、恋は盲目…の状態。周囲の制止に聞く耳を持たない独走ぶりの描写、なんとも巧い。600頁超えての終盤、読み疲れしてきたところでの加油された如く、熱がこもる。
 16歳の小娘の愚かな恋心から、皇帝ナポレオンの心情まで。多彩な登場人物を、それぞれ不足無く描き込む筆力はさすが。

レビュー投稿日
2017年1月12日
読了日
2016年12月8日
本棚登録日
2016年12月8日
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