人生論 (新潮文庫)

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“ジョン・レノンは亡くなったが、彼の想いは、♪イマジンと共に今も世界中の人々に受け継がれている。これこそ、彼の生命が生き続けていることだ。” 
本書のトルストイの論旨は、上記のようなことだろうか。
トルストイ曰く、
理性的な意識のもとに、肉体的な個我を、従属させる。それこそが、真の生命だ。 他の生命への愛を志向して生きる者は、例え肉体が滅びても、それは生命の死ではない。
以上が、本書の思想の骨子のようで、三十五章を通じて、繰り返し述べられる。だがしかし、私は、正直、肯んずることはできなかった。極端な考え方と感じた。

講演「生命についての概念」の草稿がベース、と巻末解説にあり。その表題のほうが、「人生論」よりもまだしっくりくる内容と思われた。 ロシア語では、「生命」も「人生」も、ジーズ二 という一語で表されるため、訳者はあえて「生命」の訳語に統一したという。 そうした事情もあり、内容は、少々わかりづらく感じた。
この新潮文庫版を読了後、書店で、岩波文庫版を少々立ち読みした。岩波訳のほうが幾分やさしいように思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学(古典)
感想投稿日 : 2017年7月19日
読了日 : 2017年7月18日
本棚登録日 : 2017年7月5日

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