完本・太平洋戦争 3 (文春文庫 編 6-3)

制作 : 文藝春秋 
  • 文藝春秋 (1995年1月1日発売)
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感想 : 3
4

太平洋戦争約四年の道のりを、当事者たちの様々な文書によりつづる全四巻の記録。
第三巻はレイテ、本土空襲など絶対国防圏を突破され、敗色濃厚となった闘いの記録。一部はその題材上、終戦までの記載を含む。

全体として感じたことは、死が隣り合わせの実地をくぐり抜けた人々の回想が、淡々とその当時を語っているのに対し、後から研究・調査をする人の方が怒りをにじませた文章となっているように思えた。

本巻の代表一編としては、東京大空襲を生き延びた人の記録を選びたい。その章の中で、大空襲そのものではないが、グラマンの機銃掃射と一対一で向き合った場面を読むと、この戦争の矛盾ややりきれなさ、ありとあらゆる思いが、青い夏空とともに脳裏に浮かんでくる気がする。

<収録内容>
・東条内閣の退陣に際しての論評
・主戦場から外れた後のトラック島生活録
・大陸縦貫作戦録
・レイテ沖海戦全貌
・レイテ栗田艦隊参謀手記
・戦艦山城戦闘録
・レイテ沖海戦重巡最上戦闘詳報
・戦艦大和の戦闘録
・特攻敷島隊決定の瞬間
・レイテ地上戦の記録
・山下奉文大将評
・特攻作戦の裏側
・特攻隊生還者の記録
・木村昌福提督評
・空母信濃顛末
・B29迎撃戦記
・東京大空襲録
・紫電改空戦記
・風船爆弾全貌

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2022年8月8日
読了日 : 2022年8月8日
本棚登録日 : 2022年5月7日

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