「中東」ってなに? と冒頭の問い。中東とは西洋人が自分たちの距離感覚で名付けた地名。自分たちに近いバルカン半島が近東で、日本などは遠いので極東、その間なので中東。
もともとはバルカン半島とアラビア半島あたりを合わせ中近東といっていたが、ソ連崩壊後、コーカサスと中央アジアの国、北アフリカもイスラムの影響が強いので拡大された。
中東=イスラム教? といっていいが国によって世俗化を許容している国もあり、戒律の強弱は異なる。
中東=アラブ? サウジアラビアと北アフリカはアラビア語圏で、コーランはアラビア語で読み発音することが原点で至高とされ、イスラムが広がるとともにアラビア語も広がった。ただ、トルコから東はイラン・ペルシャ語やトルコ・トルコ語が母語で自分たちの言葉を守った。
30か国をぱらぱらめくると、確かに国ごとに違いはある。一本貫くのがイスラム教ということか。読物で中東の歴史のページがわかりやすい地図入りで12章ある。途中この地域をおおう帝国がいくつか出現したが、やはり19世紀になってのヨーロッパ帝国の進出で線引きされてしまった、というのが現在の困難だなあと映る。
巻末の資料で石油埋蔵量のランクが出ていたが、1位はベネズエラの3038バレル、2位がサウジアラビアの2975バレル。ベネズエラが1位とは知らなかった。3位はカナダの1681バレル。
2022.9.1第1版第1刷 図書館
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本・地理(世界)
- 感想投稿日 : 2023年7月26日
- 読了日 : 2023年7月26日
- 本棚登録日 : 2023年7月26日
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