絵画に描かれている衣服、服装小物に焦点を当て解説。説明文と絵の全体、その小物が描かれている部分の拡大とを載せる。絵はフランスを中心に18世紀から19世紀のもの。ルイ王朝やナポレオン王政。マリー・アントワネットやポンパトール夫人の広がった華麗なスカート。貴族男性の衣服にも細やかな刺繍があり、靴は男女とも5~8センチくらいのヒール。杖を持っているのはヒールのため歩行がおぼつかないから、などおもしろい解説がたくさん。
ヴェール、レース、靴下、靴下止め、真珠、など60の事項を五十音順に解説。絵の印刷も鮮明で、真珠やレースなど拡大部分は貴婦人の肌の艶とあいまって、輝くような豊かな貴族の世界が広がる。
読んでゆくと、この豪華な衣装の洗濯はどうしていたのか?と疑問が湧いてきたが、答えは「白物(リネン)」の項目にあった。刺繍などがある上着は洗濯することはなく、その下に直接肌につける白物(リネン)をつけ、それは洗濯女や村をあげての大洗濯で常にきれいに洗濯されたとあった。
また、「ピエス・デストマ」と聞きなれない項目。これは「胸当て」。上半身の胸からウエストにかけて胸の中央が逆三角形に別布になっている。当時上着はローブといい胸の中央がぴったり合わさっていなくて開いていた。下につけたコルセットを隠すのに「胸当て」をつけた。コルセットやローブにピンで止めたという。
いつごろからそういう着方ではなくなったのか、とか衣服に興味が湧いてきた。
2021.7.14初版第1刷 図書館
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本・アート
- 感想投稿日 : 2021年7月31日
- 読了日 : 2021年7月31日
- 本棚登録日 : 2021年7月30日
みんなの感想をみる