一路(上) (中公文庫 あ 59-4)

著者 :
  • 中央公論新社 (2015年4月23日発売)
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本棚登録 : 2470
感想 : 200
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全2巻。
父の急死により、
いきなり参勤交代の責任者をまかされる主人公。
父から何も引き継いでいないのに、
しくじりがあれば切腹、断絶。
やがて見えてくる事件の真相。
とぼけた面々の助けを借りながら、
果たして無事お江戸に着くことができるのか?
って話。

いやおどろいた。
喜劇じゃん。
浅田先生の物語には
ニヤリとさせられることが多いけど、
ここまで明確に笑わせにきたのは初じゃなかろうか。
まるっきり三谷幸喜の世界。

中山道を江戸に向かう道すがら、
各地で一話完結の事件が起きるつくり。
これが毎回笑って泣かされる。
軽快だけどぐっとくる、
さすがとしか言いようのない出来。

ただ、ちょっとだけ残念だったのが、
主人公の影が段々薄くなっていくこと。
もう途中から御殿さまに完全に食われちゃってる。
クライマックスや最後もあっさり目だけど、
これは映画化にはちょうど良い具合かも。

というか、読み進めるうちに、
三谷幸喜で映画化決定としか思えなくなってきた。
御殿さまは谷原章介、
主人公は二宮君とかでどうでしょう。
ちょっと年いってるけど。
双子は割と本気でザ•たっちとか良いと思う。

映画化に期待。
いや、面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2015年5月10日
読了日 : 2015年5月10日
本棚登録日 : 2015年5月10日

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