ケサル王物語: チベットの英雄叙事詩 (岩波文庫 赤 62-1)

  • 岩波書店 (2021年3月15日発売)
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感想 : 9
5

思いの外分厚いかったし初の民族叙事詩だしで若干日和っちゃったけど、好奇心には勝てず、そして無事に読了できた。

フランス語からの重訳ということは少しだけ残念に思えたけど、解説を読んだら何となく納得できた。

特に序盤の龍女ゼデンとか、ケサルの出生にまつわる話なんかは、20世紀以降のマジックリアリズムにまるで引けを取らないほど奇想天外で、読み手の興味を存分にくすぐる。

ブラフマー神がいろんな派生パターンで登場したのには笑っちゃった。

後半のタジク王征伐のところ以降は、何となく作風が変わったというか、控えめになったというか、何より大義名分のとことかがテキトーでそれでいいの?笑、みたいなスタンスで面白く読めた。

主人公側からしたらケサルはめっちゃヒーローだけど、敵側からしたら本当にたまったもんじゃないと思う。

めちゃくちゃ都合の良いストーリー進行で、最強装備で不死身のケサルが敵と戦うのをやめた方がいいと毎回臣下が諌めるのも笑っちゃった。そして毎度毎度大勢の兵とともに進軍してんのに、最後の最後でやっぱ一人で行きますみたいな。自分が兵だったら最初から一人で行けよ!と思ってしまうと思う。

あとめちゃくちゃケサル性格悪い。なんか自分の強さをひけらかすというか、他の人を小馬鹿にしてみるとか、そういう主人公もありなんだなと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月26日
読了日 : 2021年3月26日
本棚登録日 : 2021年3月26日

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