男子高校生が地元の祭の準備を手伝う「サイガサマのウィッカーマン」と、男子大学生の日常にアルゼンチンとの交流が絡んでくる「バイアブランカの地層と少女」の2篇。
「サイガサマのウィッカーマン」
家族のことで苛立ったり、奇妙な祭に浮かれる町の雰囲気に乗り切れなかったり、それでも誰かのための祈りは本当だったり。
同じ様な経験をしていなくても、なんとなく自分にも似た覚えがあるような気がしてくる。
主人公の感覚がリアルで、なんかわかる、と思えるのだ。
「バイアブランカの地層と少女」
こちらのほうが面白かった。
好きな子にふられたとか、家の下に活断層が通っていて地震が心配だとか、そんなことばかり気にしている日常が、京都観光のコミュニティサイトで知り合ったアルゼンチンの女の子との交流によって、少しだけ広がっていく。
だからといって何も劇的に変わったりはしないのだけど、文章がじんわり面白くて好きだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
青春・お仕事小説
- 感想投稿日 : 2021年6月30日
- 読了日 : 2021年6月30日
- 本棚登録日 : 2021年6月30日
みんなの感想をみる