カッコーの巣の上で

  • 冨山房 (1996年6月22日発売)
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本棚登録 : 150
感想 : 16
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 これはたいへんな問題小説ですね。

 赤毛の反逆児マックマーフィが刑務所で問題を起こし、委託患者として精神病院に送られてくる。その病棟は強面の看護婦長ラチェッドが仕切っていた。患者たちの自由を奪い、支配するラチェッド。そのラチェッドと対決するマックマーフィ。この構図は、社会体制とそこから自由になろうとする個人との闘いのメタファーであるらしい。

 物語は、患者のひとりであるインディアンの大男のブロムデンの眼を通して描かれている。現実とブロムデンの妄想とが入り混じる暗いストーリー展開、電気療法やロボトミーといった患者たちに対する非人道的な扱いなど、思わずジョージ・オーウェルのディストピア小説「1984年」を思い起こさせる。だから、読んで心地よい作品では決してないので御注意を!

 結末はちょっと悲しいけれど、でもハッピーエンドなんだと思いたい。マックマーフィは、ブロムデンの心の中で生きているはずだから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2019年12月21日
読了日 : 2019年12月21日
本棚登録日 : 2019年12月21日

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