ブレークスルーの瞬間 何があの企業を飛躍させたのか (KINDAI E&S BOOK)

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  • 近代セールス社 (2011年8月1日発売)
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ソフトバンク、アップルなどの企業から、アポロ計画まで、奇跡的な瞬間を生んだ各社の選択のポイントをまとめてあります。

ソフトバンクってもともとソフトと出版の流通業の会社だったのとか初めて知りました。

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でヨドバシカメラについての項目では、
ヨドバシカメラの他の量販店との違いが述べられています。

ポイントは3点あって
1.ターミナル駅への出店
2.内部業者への商品管理の徹底
3.メーカーとの交渉で利益を確保する

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1.ターミナル駅への出店

ヨドバシカメラは店舗数こそ多くないのですが、
出店の方式がうまい。

東京で言うと電気街はやはり秋葉原ですが、
客は秋葉原に行くまでに吉祥寺、上野、錦糸町などのターミナル駅を通ります。

ヨドバシカメラの狙いは秋葉原に行くまでの道のりに大型店舗を出店し、客を秋葉原に行くまでの客を取り込むことです。

この戦略は、かなりうまくいったそうで、
さらに秋葉原に駅直結型の超大型店舗「マルチメディアAKIBA」を作ることで完成します。

秋葉原に来た客が、ほかの電気屋に行く前に駅直結のヨドバシカメラで買い物をするからです。

このように他の家電店よりも、客に取っていきやすい位置に配置する戦略がヨドバシカメラの強みです。

そういった意味で見ると、Switchのゲリラ販売も、ほかの家電店よりも店舗数が少なく、ターミナル駅に集中しているヨドバシカメラだからこそできた戦略なのかと思います。

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2.内部管理の徹底

今はどうかはわかりませんが、ひと昔前、家電量販店の万引きのうち7割程度は店員や配送業者など、内部の人間による犯行といわれておりました。

1個あたりの利益が小さい小売業では、1つ万引きされるとそれを取り戻すのに10個売らねばならないというように、万引きは大敵です。

そこでヨドバシカメラでは、従業員、搬入業者へのボディチェックを行い、また荷物もすべて預けさせて店内にいれたそうです。

このローコスト戦略もヨドバシカメラの強みです。

Switchの販売においても、抽選販売を行ったビックカメラでは当選くじを抜き取る不正があったなかったという話も上がっていますが、これを防止するため着たらすぐ全部売ってしまうというゲリラ販売スタイルなのかもしれません。

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3.メーカーとの交渉で利益を確保する

3つ目の強みはメーカーとの交渉力だ。

なんとヨドバシカメラはメーカーとの交渉の際に
ヨドバシカメラ側の利益をあらかじめ保証させるのだという。

これにより、競合店が値下げした場合、ヨドバシカメラも対抗して値下げを行うが、その際ヨドバシカメラ側は利益を削ることはない。

メーカー側にとっては一見、メリットがないようにも思えるが、
ヨドバシカメラに希望価格で卸せば、必ず売ってくれるという信頼があってこその条件なのだろう。

Switchの入荷台数が圧倒的に多いのもヨドバシカメラの販売力があってこその話なのかもしれない。

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このようにヨドバシカメラは他にない強みを持つ家電量販店であることが分かりました。

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感想投稿日 : 2017年11月6日
読了日 : 2017年8月15日
本棚登録日 : 2017年8月15日

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