アンネの日記 新訳版

  • 文藝春秋 (1986年11月1日発売)
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感想 : 3
5

ゴールデンウィークにオランダ アムステルダムにある、アンネ・フランクの家を訪れたことがきっかけで、久しぶりに再読。中学生あるいは高校生ぐらいのときに、母に勧められて読んだ記憶があるので、20年以上振りになる。

初めて読んだ当時は、隠れ家で暮らすのは、大変なことだっただろうとは思いつつ、遠い過去に異国の地で起こったことに現実感が得られなかったように思う。それより、私も日記を書いてみようかな?と真似したような記憶がある。

改めて日記を読むと、果たして16歳にも満たない少女が書いたものとは思えないくらい、一つの作品として完成していることに驚かされた。また、少女というには失礼なくらい、アンネの内面はすでに大人であった(あるいは大人になりつつある状態)ことに気付かされる。

また、日記にある有名な言葉に、「わたしの望みは、死んでからもなお行き続けること!」があるが、その少し前に、「わたしは成功したいのです。」という言葉が書かれていることに気が付いた。その当時、女性でここまでの野心を持っている人はすくなかったのではないだろうか?ましてや戦時中、そして、たった15歳の少女が望んでいたとは、やはりアンネはとても稀有な人だったと思う。
彼女が生きていたら、どんな女性になっていたのだろうと残念でならない。

アンネを始め、多くの人の幸せ、未来を奪った出来事がもう二度と起こらないことを、切に望む。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ドキュメンタリー
感想投稿日 : 2015年5月24日
読了日 : 2015年5月24日
本棚登録日 : 2015年5月17日

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