過去のトラウマを抱え、団地の中だけで生きていくことを決心した少年の物語
母親や小学校の友人を始めとした団地の住民とのコミカルな関わりから話が始まっていくが、少しずつ過激というか、ダークなテーマに移っていくうちに物語へ引きずりこまれていった
(若干ネタバレになり恐縮だが)
人が亡くなる結末はあまり好きではないが、本書では重いインパクトを受けた
人には理解し難い心情を抱えていた少年に対し、矯正の無理強いをしなかった母親
心のうちに秘めた本音はありながらも見守り、最も効果があるだろう方法でその意を伝え、少年は約20年の時を経てトラウマを超えることができた
なんて愚かで、馬鹿で、あんな時間を過ごしたのか
号泣する主人公を見て、自分も誰かからの愛情に気付けないままでいるのかもしれないと思うと、感情移入せざるを得なかった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年4月26日
- 本棚登録日 : 2017年4月18日
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