ザ・スタンド (下)

  • 文藝春秋 (2000年12月14日発売)
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感染症後の世界として、人が集まる世界は、規律と倫理あるいは政治的なものがないと、生きていくことができないのかと、その必要悪を見せられる。民主主義にしろ、社会主義にしろ、あるいは、専制独裁にしても。しかたがないのかなぁ。
だから、急進的なものも、賛同するものも、あぶれるものも、離脱するものも、諦めるものも、あり得るのかもしれない。そして、それが人類の運命なのかも。共同体の。

トウモロコシ畑のある家のポーチでギターを爪弾くマザー・アバゲイルと、不気味な「闇の男」の夢は、最後に何を暗示していたのでしょうか。
「どこをおのれの拠って立つところ(ザ・スタンド)とするか、そんなことは一度だって重要だったためしなどない。重要なのはただ、このおれがそこにいるということ…そしていまなお自分の脚で立っているということ、それだけだ。」の言葉が、むなしく木霊する。
エンディングは意外とあっけなかった。(時代背景もあるのでしょうか?)パンデミックの終結もあっけなかったのと同じでしょうか?ただ、ラスベガスのきのこ雲が、あの距離で見えるか?疑問が残るのは私だけ?

印象的なフレーズは:
★”事を図るは人、成敗を決するは神”
★ひょっとして彼が恐怖を売っているのは、それ以外に売るものがないからかもしない、って
★彼らは生贄だったと俺は思ってるんだ。神はいつの場合でも生贄を要求する。神の手は血で汚れてるのさ。
★私たちはあえて危険を冒して、生きたいと思う人生を生きるべきだって

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年4月14日
読了日 : 2021年4月3日
本棚登録日 : 2021年3月18日

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