壁 (新潮文庫)

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本棚登録 : 4575
レビュー : 444
著者 :
猫と山高帽さん 文学、小説(日本人作家)   読み終わった 

この作品を一言でいえば、変身の物語。三部作の主人公は、自分以外の何かになる。

S・カルマ氏は名前を喪失することで、アイデンティティを失ってしまう。裁判の後、かつて所属していた社会集団からも放り出され、その結果、自ら壁となる。静かに果てしなく成長する虚無の象徴として。つまり、それは既成秩序からの解放である。これは壁に於いて絶望的に発見された世界であり、いみじくも現代社会への不合理を世の中に訴えかけている。

表題の壁とは、個人と社会との壁でもあり、現代人の誰もが抱える心の闇との葛藤が変身なのかもしれない。

個人的には、魔法のチョークが1000本くらい欲しいかも。

レビュー投稿日
2019年4月15日
読了日
2019年4月15日
本棚登録日
2019年4月15日
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