Brave New World

著者 :
  • Vintage Books (2004年10月6日発売)
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本棚登録 : 32
感想 : 3
5

1932年の作品。有名だけど古いからなー、と思ってましたが、すごく面白かったです。

いわゆるディストピアものなんですが、他のディストピアものが「国家・人類の発展etcのために個人の生活が押し潰される」ような世界なのに対して、これは「そもそも個人の生活を持ちたいと思うような人間がいなくなって、ある意味みんなハッピー」なうすら寒い世界。

子供はみんな工場でボトルから生まれるし、不特定多数との長引かない交際が推奨されていて結婚なんて考えられないから、家族の概念がない。
個人であるより社会の一員であることが大切で、過去や未来のことは悩まないように教育・洗脳されている。
難しいことは考えず、誰かを深く愛することもなく、赤ちゃんのようにぼーっとシアワセでいることが推奨されていて、そのために合法ドラッグの配布すらある。
消費されるべき娯楽はあるけど、深く心を動かす芸術はない。
住民はみんな「シアワセ」で不満も何もないけど、何かがおかしい。

他のディストピアが旧共産圏やキリスト教極右を思わせたとしたら、これは今の日本に一番近いディストピア。
DNAもまだ発見されてない、第二次世界大戦前にこんな本が書かれたなんてびっくりです。

大変おすすめ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: イギリス
感想投稿日 : 2010年3月22日
読了日 : 2009年5月9日
本棚登録日 : 2009年5月9日

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