The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society: A Novel (Random House Reader's Circle)

  • Dial Press Trade Paperback (2009年5月5日発売)
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感想 : 1
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Audible。ナレーターは複数で、Paul Boehmer, Susan Duerden, Rosalyn Landor, John Lee, Juliet Mills

Audibleの表示はMovie Tie-in バージョンの表紙なので、男女が今にもキスを交わす、という写真なので「うーん、ロマンス小説なのかな」(←個人的に苦手分野)と思っていましたが、セールになったのと、舞台となったガーンジー島にも興味があったので購入、でも放置してあったのを思い出して読みました。

主人公は1946年のロンドンで次の本の題材を探している若いノンフィクション作家。彼女がかつて手放したチャールズ・ラムの本を読んだガーンジー島の男性が、ラムの他の本や伝記の情報を求めて手紙を書いたことがきっかけとなって、ガーンジー島の読書会メンバーたちと彼女の交流が始まり、取材のために島に訪ねていくことになる。そういえば昭和時代には我が家でも本に蔵書印を押したり名前書いたりしていました。

浅学にしてガーンジーを含めてチャンネル諸島のことをほとんど知らず、ましてや第二次世界大戦中にナチスドイツに占領され、D-Dayの後も解放されるどころかドイツ軍の補給路が立たれたために住民ともども悲惨な餓えにも苦しめられたなんて全然知りませんでした。

ロマンスはありますし、正直みんなが大好きなテンプレ(当て馬的な、魅力的で金持ちだけど勝手な都会人の求愛者、ゲイの親友、エキセントリックだけど賢い年長の女性など)もありますが、程よい感じで型どおりになりすぎず、島の読書会メンバーたちもそれぞれに魅力的で、重い題材も含みつつもとても楽しく読みました。書簡集でかなりの多視点なので、男女混合の複数のナレーターにしてくれたのもききやすくてよかったと思います。一部地元のなまりが強い設定のセリフはちゃんと聞き取れてませんが…。

チャーミングで愛される作品。★3.7。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: イギリス
感想投稿日 : 2022年8月4日
読了日 : 2022年8月3日
本棚登録日 : 2022年8月2日

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