Klara And The Sun: The Times And Sunday Times Book Of The Year
- Faber & Faber (2021年3月2日発売)


Audible。 ナレーターはSura Siu。
おそらくイシグロの読者なら、これを読んでNever Let Me Goを全く連想しない人はいないと思うのだけれど、だからと言って単なる焼き直しというわけでもなく、しみじみ読みました。
人を愛するとは、人のアイデンティティとは、といったテーマはあると思うのですが、わかりやすくこうだからこういう意味でしょ、こういう話でしょ、ということはなくて、一言で言えるなら小説で書かないよ、と言われているような感じでした。いつものことですが。
これまでのイシグロ作品に比べるとちょっと小品感もありますが、愛すべき作品だと思います。ただ、portraitの話は私にはなんだそりゃというかそもそも主体としてのJosieの主観はどうなるっていう感じでその問いかけをしたいこと自体がよくわかりませんでしたが。そっくりのふたごだって同じ人ではないだろうっていう。
ナレーションはクララの声も他の登場人物の描写も素晴らしい出来だったのだけれど、やっぱりこういう文芸作品は黙読の方がよいかもとは正直思いました。でもランニングや歩いて通勤するときに「読書」ができないとなかなか時間がまとめて取れないのよね…。
とはいえ全体としては読んでよかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
イギリス
- 感想投稿日 : 2021年3月11日
- 読了日 : 2021年3月9日
- 本棚登録日 : 2021年3月8日
みんなの感想をみる