この本はある一つの事件=絵の盗作について掘り下げていくものだとばかり思っていたからthe doorのくだりでなんとなく残念な思いに。結局のところ主人公は3つの創作の種を得、2つがすでにこの世で花を咲かせており、3つめをやっと自分のものにできたっていう話でしたが…うーん。
わたしが考えるに創作の醍醐味は自分が苦しい思いをして生み出すこと。それに賛同が得られること。
この本の捉えた創作は種が神から与えられ、人間はその単なるアウトプットに成り下がっている気がしてそこが引っかかった。だったら下手な話主人公は3歳児でもいいわけだ。むしろそのほうがこの話はわかりやすくなるだろう。
わたしはこの創作の概念には賛同しませんが、もしそれが与えられた種でなく、自分が生み出した種で、表現方法もまるで同じ、トレースしたような作品がそれぞれ違うところで互いを知らずに生まれていたとしたらそれこそ本当に興味深いと思う。そしたら本当に、自分は盗作でないと、誰がどう判断できるだろう。それを考えていくと人っていういきものの奥深さにも触れられる気がして、この本によってそれを考えられる機会を与えられたことに感謝すべきだと感じました。うーん。たまには難しいことをいってみるものだね!
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- 感想投稿日 : 2008年9月30日
- 本棚登録日 : 2008年9月30日
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