村上春樹『1Q84』をどう読むか

  • 河出書房新社 (2009年7月22日発売)
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本棚登録 : 157
感想 : 17
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2011/06/17読了

「1Q84」について、文章の中身、用語、キャラクター、過去作品、著者の背景やスタイルやら色々
様々な面から35人の意見があるが、実に35人35色である。
好意的、批判的もまた様々。
平野先生が言っていたようなことも、私が思っていたようなことも書いてあった。多い意見では「村上春樹はどうしちゃったんだYO!」っていうやつ
とまあ、この本についてはこんなところかな。
読んでいて新しい発見や思うところもあった。面白いのはこの本は、BOOK3の存在がまだ分かっていない、BOOK2でぶつ切りにされていた頃に出版されていたものなので、BOOK3は出るのか、出すべきだ出さないべきだという意見然り、「青豆が死んだ」「これは天吾が書いていていた物語だ」という読みもあり(特に青豆死亡説から論理が展開されているものが多いのだが)
BOOK2までの知識ではそうとしか考えられないというのも分かるなあ。
実際にBOOK3のそこにあたるところまで「1Q84とは点吾が作っている長編で、1984と1Q84の青豆が居て、パラレルワールド的な表現をあちらこちらに展開してるからとってもわかりにくいんじゃないか?」とか「てか青豆さああああああん!」とか自分も思っていたし。今となってはミスリードもええとこですね。
1Q84 BOOK2で青豆は死んだと述べた人はBOOK3を読んだりしたのだろうか。
(どうでもいいけれど、「砂時計」が出てきたことは少し嬉しかったです。うはは)
村上春樹のスピーチやスタイルがどう生み出され反映されるかとか、あの村上龍とのコンビとか、面白い意見もありき。
村上春樹の日本における立ち居地というか、そういうもんを良く見るのが重要なのだとも考える。
続刊にたいしての考察とかないかなあ。こないだのスピーチもあるから材料は揃っていると思うのだけれど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2011年6月18日
読了日 : 2018年7月2日
本棚登録日 : 2011年6月17日

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