
「テンペスト」よりさらに古い、1600年代後半から1700年代にかけての琉球舞踊の物語。被差別ニンブチャーとして生まれ、母がハンセン病になったことでその村を追われ、曲芸一座で糊口をしのいでいた了泉は踊りの才能を見いだされ、ライバル・雲胡と抜きつ抜かれつの出世をしてゆく。謝恩使として江戸に上る際の、薩摩・大阪・江戸の様子なども面白かった。前々から興味のあった久高島やイザイホーにまで話がつながって個人的にうれしい。同じように、と言っていいか分からないが、手で物語を表現するフラを踊る身として、もっと心を込めようと思わされた。「マブイ落とす」の文字を見て、再び「風車祭」が読みたくなった。
- レビュー投稿日
- 2013年12月17日
- 読了日
- 2013年12月17日
- 本棚登録日
- 2013年12月11日
『黙示録 (単行本)』のレビューへのコメント
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