新訳 オセロー (1) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2018年7月24日発売)
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感想 : 6
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白人社会の中で、黒人でありながら中年まで結婚もせず邁進し、将軍の地位までのぼりつめた男をどう見るか。劇中では紳士的な言動をし、名誉を重んじる様子が描かれている。明言されてはいないが、女性に不慣れであっても、まあよいだろう。

ひそかにいだいていたコンプレックスによって虚言を信じ、ありもしない妻の不貞を疑い、我が手にかけて殺す。
そういうこともあるかもしれない。

クライマックス、死んだと思われた人物が死んでおらず言葉を残すことが2度繰り返される。繰り返しは、シェイクスピアを詩として語るとき重要な要素だとか。
アホか。死んだと思われていた人物が実は生きているという展開はゲキガンガーで揶揄されるまでもなくしらける要因である。デズデモーナのいまわのきわの言葉は、まあ、よかろう。だが、ロダリーゴーはあかん。しかも盤外での出来事。説得力の欠如をやっつけで補った観がある。

そういうこともあるかもしれない物語。
だが、展開はやや苦しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年9月13日
読了日 : 2023年9月13日
本棚登録日 : 2023年9月13日

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