「ファンテーヌ」の章を読み終えた直後には、展開に対して不満を覚えもしたが、「コゼット」の章でそれが解消されてみれば、続編が決定しているシーズン1の引き――うまい引き――のようだと感じずにはいられなかった。
一介の読み手が往年の名作にこのようなことを言うのもなんだが、「まったくもってよくできている」。言を重ねて称賛しようと試みても、シンプルな畏敬に収束してしまう。
文章が描く光景が脳裏に浮かんでくるのは筆致のたくみゆえか、それとも読み手の経験が功を奏したものか。前者であるならばまことに優れた文章・訳であると感嘆を重ねるしかない。後者であるならばこの出会いによき経験をつみえていたことを誇ろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年9月14日
- 読了日 : 2022年9月14日
- 本棚登録日 : 2022年9月8日
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