脳みその奥の方にじーんとした痛みを感じながら読む。灰が降り注ぐ世界で、町には略奪と食人が横行している。そんな情景を見ながら父と子はひたすらに南を目指す。このような幼少期を過ごしてどうして少年はあんなにも無垢でいられるのか。汚い部分も全部含めて父親が守ってくれていたのだろうけど、それにしても。母もわが子を守るけど、あんな風な守り方ができるのは父親だけだな、としみじみ。これからあの子は父が引き受けてきた世の穢れとも自分の力で引き受けなくちゃならないだろう。不思議かな、子どもを持つっていいな、とも思わされた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年9月16日
- 読了日 : 2016年9月16日
- 本棚登録日 : 2016年9月16日
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