猫のゆりかご (ハヤカワ文庫 SF 353)

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本棚登録 : 1468
レビュー : 148
制作 : 伊藤 典夫 
chiakihiranoさん  未設定  読み終わった 

ヴォネガットはいつも読み終わると唖然とする。

スラプスティックとかブラックユーモアとかナンセンス・ギャグとか評されるけれど、つまりは「たわごと」であり、「たわごと」を語りながら人生とか神とか生きることの意味だとかを描いてみせる。

そして読み終わると「いえいえ、これは何の意味もない、ただのたわごとですよ」と言われて唖然となる。そんな感じ。

「猫のゆりかご(あやとり)ですよ、それ」
「世界でいちばん古い遊びの一つですよ、猫のゆりかごは。エスキモーだって知ってる」
「十万年もそれ以上もむかしから、おとなは子供たちの前でからめた紐をゆらゆらさせて見せている」
「おとなになったときには、気が狂ってるのも無理ないや。猫のゆりかごなんて、両手のあいだにXがいくつもあるだけなんだから。小さな子供はそういうXを、いつまでもいつまでも見つめる……」
「すると?」
「猫なんていないし、ゆりかごもないんだ」

「いったい、これには何の目的があるんですか?」と人はていねいにたずねた。
「あらゆるものに目的がなければいけないのか?」と神はきかれた。
「もちろん」と人は言った。
「では、これの目的を考えだすことをあなたにまかせよう」と神は言われた。そして行ってしまわれた。


レビュー投稿日
2019年4月7日
読了日
2019年3月31日
本棚登録日
2019年3月31日
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