超解読! はじめてのカント『純粋理性批判』 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2011年4月15日発売)
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感想 : 20
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本屋に立ち寄って、哲学を易しく解説してくれる竹田さんの本ということで、手に取ってみた本。気付いたら、2時間ほどの立ち読みで読了。いつかは読破したいと思いつつ、何回か挫折した純粋理性批判の解説にもかかわらず、非常にわかりやすかった。あの本のポイントというのは、「人間は、『感性』で現象を知覚し、『悟性』でその知覚したものを綜合して、そのものを判断し、『理性』で推理する」だということを改めて、確認した。このポイントのインプリケーションはさておき、次に原書を読む際には、今回の読書で分からなかった①アプリオリな知性の枠組みという正当性、②悟性による綜合の仕方について、③理性で推理されたものの規準の具体的説明の3点に留意して、読んでみたいと思う。竹田さんの本は、他にプラトンなどでお世話になったと思うが、この人は本当に教えるのが上手だと思った。こういう人は、おそらく説明するのが上手な半面、欠点や粗をみつけて、それらを克服することも上手だと思われるので、次は竹田さん自身の哲学書を読んでみたいとも思った。最後に、「善や道徳についての思索は、共同体の神秘に宿るのではなく、我々の理性に宿る(意訳あり)」という最後の一文に心魅かれた。

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感想投稿日 : 2012年2月15日
本棚登録日 : 2012年2月15日

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