虹の巣

  • KADOKAWA (2016年3月30日発売)
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本棚登録 : 64
感想 : 10
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 パッとしない地味な俳優との結婚を機に家庭に入った元女優の由崎鈴子。わがままな一面もあるが、それを凌駕するほど魅力に満ち溢れた彼女に仕える暁子は、彼女のためなら何でもする覚悟でいた。そしてそんな人間は、実は彼女で2人目だったのである。

 現在の鈴子に仕え、彼女の娘である日阿子とも交流する暁子の目線、そしてそれよりも過去、鈴子が結婚したばかりの頃に仕えていた佳恵の目線が主で、交互に描かれる。読んでいくうちに、どうやらこの家では何か事件がおこったらしいということがわかっていくのだが、これはこの書き方・構成じゃなかったらこんなに惹きつけられなかっただろうなぁ。なぜそんな事件があった後で、再びお手伝いさんを雇おうとしたのか、鈴子の心境が謎だったのだが、なるほどなぁと。そして後半、暁子と佳子が対面するという展開にもちょっと驚き。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸本(日本)長編
感想投稿日 : 2017年1月29日
読了日 : 2017年1月25日
本棚登録日 : 2017年1月29日

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