望み

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本棚登録 : 1250
レビュー : 215
著者 :
Chieさん 文芸本(日本)長編   読み終わった 

 自らがデザインした家に住み、時にはそれをお客さんに紹介しつつ建築デザインの仕事を続ける石川一登、フリーで校正の仕事をする喜代美、そして息子の規士と娘の雅。平和な4人の暮らしはある日一変する。規士の同級生が殺害され、その日から規士が行方不明になったのだ。一切連絡がとれなくなった息子は果たして加害者なのか、もしくは被害者なのか?

 加害者=この先の家族の将来はなくなる、被害者=息子は死んでいる。どちらになっても絶望的な中、生きてさえいれば更生の余地はあると願う母親の喜代美と、とても息子が加害者になるとは想像もできないから被害者の可能性の方が高いだろうと考える一登。双方、自分がどちらを望んでいるのかわからなくなったり、その意味を考えて自らを責めてしまったり、相手を責めたり。息子の行方がわかるまでの数日間の警察や近所の動き、家族の苦悩や葛藤が描かれている。楽しいと思えるものではないが、いろいろ考えさせられる話だった。最後、読者に結末をゆだねる終わり方もできるかなと思ったのだが、しっかり結論が出ていたのでその点は良かったかも。

レビュー投稿日
2019年5月9日
読了日
2019年5月2日
本棚登録日
2019年5月9日
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