女性を護ったつもりが我を失ってやりすぎてしまい、相手にけがを負わせたとして懲役1年の刑が決まった浅見克則。しかし控訴もせず、反省もしている点が評価され、「消失刑」という試行段階の刑への代替を薦められる。刑期が8ヶ月短縮されると聞いて承諾した浅見だったが、その刑は世にも不思議な刑だった。バニッシング・リングという首輪をつければ、家に帰ってもいいという。それをつけると人々の目からは見なくなる。そして誰かにコンタクトをとろうとしたり、多数あるルールを破ろうとすると、リングは容赦なく首を絞めつける。最初は戸惑ったものの、なんとか毎日を過ごす術を見つけた浅見は8か月の刑期を終えるが、なんとそこでリングが故障してしまい、解放されずにそのまま刑が続行されてしまう。
奇想天外な設定に、どう話をふくらませるんだろうと思っていたので、話の展開が全く読めなかったという意味ではすごい。ただ、その物語が残念ながらおもしろくない。最後は無理矢理ラブストーリーに持っていった感じだし、医学生グループの臓器売買で十数名が誘拐って……ばれてないわけないだろう。彩奈が殺されなければならない必要性も感じない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文芸本(日本)長編
- 感想投稿日 : 2015年7月20日
- 読了日 : 2015年7月14日
- 本棚登録日 : 2015年7月20日
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