天生高春(あもうたかはる)は検察官を目指し、胸を高鳴らせて和光市司法研修所の門をくぐった。しかし開始式も検察担当の蒲原弘道(かんばらひろみち)教官も淡泊で肩透かしを食らう。しかし、司法試験トップ合格者であり、同期の中で一際目を引く岬洋介と同じグループになったことから、天生は刺激的な日々を送ることになる。

 時系列的には前作『どこかでベートーヴェン』の後。岬洋介23歳の司法修習生時代の話ということで、途中まで裁判や司法がらみの話オンリー。私は好きだけど、「本当に岬洋介シリーズか?」と表紙を確認してしまったほど。中山七里ワールドでさすが完璧に近い人物と言われる岬、修習生時代でも格が違う(笑)。今作でももちろんどんでん返しあり、そしていかにしてピアニスト岬洋介が生まれたのか、シリーズとしても欠かせない話。おもしろく読んだ。

2019年10月11日

読書状況 読み終わった [2019年10月11日]

 3人の少年によって、自らの娘とその恋人を惨殺された小宮清子は、地裁での意見陳述に全てをぶつけた。他にも人を殺していた3人に、検察も極刑を求めたが、結果は1人だけが死刑であとの2人は無期懲役という納得のいかないものだった。弁護側、そして検察側もこれを不服としたため、控訴審が行われることになったが、清子も自ら犯人達の周辺を調査することにした。

 裁判所でのやりとりが物語の大部分を占めていたが、これがちょっと冗長すぎる気がした。少年達の行動や態度は、当時幼かったというだけで決して許されるものではなく、清子の心情は理解できるが、そもそも被害者の母親がここまで彼らの周辺で彼らについて調べることができている状況にリアリティが薄れている。本来ならもっと、腹立たしい程に少年法が立ちはだかるのではないだろうか。

2019年6月22日

読書状況 読み終わった [2019年6月22日]

◆二人で探偵を
◆鳩の中の猫
◆邪悪の家
◆菅田荘の怪事件
◆白昼の悪童

以上5篇の短編集。
 裁判官を退官後、静おばあちゃんが講演を行ったのを聴衆していた玄太郎おじいちゃん。挑発するような口の挟み方をしてしまったため、出会いは決して良いとはいえなかった2人。しかしそんな2人はそれから幾度となく事件に遭遇してしまう。

 いつも通り自分のやりたいようにやって暴走気味な玄太郎と、それに対して「信じられない!」という態度をとりながらも、うまくコントロールして?足りない部分を補う働きをみせるおばあちゃん。ぶつかる事件は投資詐欺だったり外国人労働者問題だったり、わりと難しい問題が多かったかな。おじいちゃんの行動は爽快ではあるけれど、警察の動かし具合は「そんなことできるわけないやろ」と思うこと多数(苦笑)。

2019年6月14日

読書状況 読み終わった [2019年6月14日]

19/01/04 WOWOWで放送。2018年、日本映画。主演:錦戸亮、脚本:香川まさひと、監督:吉田大八。

 魚深市で働く月末(錦戸亮)は、上司からの命令で、新しく市に転入してくる6人の送迎・そして就職の世話をすることになる。やがて彼らが全員元受刑者、しかも罪名は殺人であることを知るが、狭い魚深市でそんなことが知れればたちまち彼らの居場所が無くなってしまうため、秘密にしたまま、密に彼らが徒党を組んで再び悪事に走ることがないか見張るように言われてしまう。しばらくはそれぞれ穏やかに新しい生活を営んでいた6人だったが、地元の祭り・のろろ祭で意図せず6人が一同に会してしまったことから、歯車が少しずつ狂い始める。

 全体的にまとう雰囲気は重いものだが、少しクスッと笑える場面だったり、周りの人達と通じ合えてホロリとする場面だったりがあって、引き込まれるものはあった。それだけに、更生できるかどうかはその人がどれだけ頑張っていても、周りの環境で台無しになってしまうことがあるという最後の展開は残念というかやりきれないというか。一番安全パイというか、更生できそうだったのになぁ。モチーフとして出てくる「羊の木」の意味がいまいち理解できていないと思うし、最後に1つだけ芽が出ていたお墓とか、いろいろ意味深なものがたくさんあったので、あのあたりを解説してくれるインタビューなどないものだろうか。

2019年5月30日

読書状況 観終わった [2019年5月30日]
カテゴリ 邦画

18/11/27 WOWOWで放送。2012年、日本映画。主演:藤原竜也、監督・脚本:豊田利晃。

 新興宗教「ライフイズビューティフル」の若き教祖・吉野ルイは、飲酒運転の末に事故を起こし、ぶつかったバイクの男性を死に追いやり、助手席に乗せていた謎の女(水原希子)を植物状態にしてしまう。しかしルイ自身は母親の力により警察の手をまぬがれ、3人のボディーガード(松田龍平、仲野茂、永山絢斗)の監視下、南の島に身を隠すことになる。

 イメージからして、教祖として意気揚々とふるまう藤原竜也の姿を思い浮かべていたのだけれど、それは違った。家族代々続けてきた宗教であり、男で教祖になれるのが他にいないという理由で(姉とおかまの兄はいる)無理矢理やらされており、本人は辞めたがっている。そんな息子に見切りをつけた母親は、3人のボディーガードにルイ殺害の指令を下して…という展開なのだが、最後の展開はなんというか、やっつけ?「あーあ」という感想しか出てこなかった。褒めるところといえば、全身白でありながら、良さを際立たせていたルイの衣装か。似合うなぁ。

2019年5月26日

読書状況 観終わった [2019年5月26日]
カテゴリ 邦画

 自らがデザインした家に住み、時にはそれをお客さんに紹介しつつ建築デザインの仕事を続ける石川一登、フリーで校正の仕事をする喜代美、そして息子の規士と娘の雅。平和な4人の暮らしはある日一変する。規士の同級生が殺害され、その日から規士が行方不明になったのだ。一切連絡がとれなくなった息子は果たして加害者なのか、もしくは被害者なのか?

 加害者=この先の家族の将来はなくなる、被害者=息子は死んでいる。どちらになっても絶望的な中、生きてさえいれば更生の余地はあると願う母親の喜代美と、とても息子が加害者になるとは想像もできないから被害者の可能性の方が高いだろうと考える一登。双方、自分がどちらを望んでいるのかわからなくなったり、その意味を考えて自らを責めてしまったり、相手を責めたり。息子の行方がわかるまでの数日間の警察や近所の動き、家族の苦悩や葛藤が描かれている。楽しいと思えるものではないが、いろいろ考えさせられる話だった。最後、読者に結末をゆだねる終わり方もできるかなと思ったのだが、しっかり結論が出ていたのでその点は良かったかも。

2019年5月2日

読書状況 読み終わった [2019年5月2日]

 カードのカスタマーセンターで働く江梨子は、「(カードを止めた)お前のせいで子供が死んだ」と理不尽なクレームをつけきた男のことが気になり、極秘で顧客の住所などの情報を引き出して家を突き止めた。そして、実際は結婚すらしておらず、生活保護を受けて病院をあちこち回って薬を集め、転売しているような奴だったことを知る。怒った得理子は「ネット自警団」に男の悪行をさらしてみる。

 相応の罪に問われていない人間というのが実際には多く存在し、それが許せないという気持ちはわからないではないが、今回でいえば、すでに刑期を終え、弁護士として働く人間をネット上にさらす行為というのはさすがにやりすぎではないかと思う。しかも自らは匿名のままというのはやり方がキタナイのではないか。当事者になってみなければわからないと言われればそうかもしれないが、今回はやりすぎ感が否めないかなぁ。ストーリーはおもしろかったし、グイグイ読み進んだ。

2019年4月29日

読書状況 読み終わった [2019年4月29日]

 同僚と同じく、仮の姿で人間界に降り立つことになったクロ。最初に出会った魂はなんと記憶喪失だった。

 こちらも勧められて読んだ。『優しい死神の飼い方』に出てきた外国かぶれのあの同僚が今作の主人公となっている。全体としてのミステリー感は今作の方が強めか。呪いの正体はなるほどなぁと。

2019年4月5日

読書状況 読み終わった [2019年4月5日]

 我が主様の命令により、犬の姿に変化し、死んでしまったにも関わらずこの世に未練があって成仏しようとしない魂を説得することになったレオ。魂の話を聞いているうちに、ある1つの事件の真相が浮かび上がってくる。

 知り合いに勧められて読んだ。この作家さん、こんなファンタジーも書くんだなぁというのが1番の感想。でもちょっと物足りないなぁ。

2019年3月24日

読書状況 読み終わった [2019年3月24日]

◆ずっとあなたが好きでした
◆黄泉路より
◆遠い初恋
◆別れの刃
◆ドレスと留袖
◆マドンナと王子のキューピッド
◆まどろみ
◆幻の女
◆匿名で恋をして
◆舞姫
◆女!
◆錦の袋はタイムカプセル
◆散る花、咲く花

以上13篇の短編集。

 基本的に恋愛話、そして最後にダークなオチがつく話がただ集められているのかと思いきや、途中で「は???」な瞬間があり、次に「やられた!」と思う仕掛けあり。ほんとにこういうのが上手いなぁ。

2019年3月1日

読書状況 読み終わった [2019年3月1日]

 高梨慎也は学園のマドンナ・雨宮楓に「放課後ヒマだったりする?」と突然声をかけられ、浮足立っていたが、それが何の用事だったのか知らされないまま、楓は帰らぬ人となった。校舎の3階から転落死したのだが、事故なのか自殺なのか殺人なのかがわからない。また、彼女の体内からは麻薬の成分が発見されたこともあり、生徒たちにも聞き取り調査が始まった。慎也も話を聞かれることになったが、そこで見知った顔を見つけて驚く。小さい頃から兄弟同然のように付き合ってきた従兄弟・葛城公彦である。身内であっても詳しいことは話せないと言われたが、どうしても楓の死の真相が知りたかった慎也は、学校内の情報を収集してほしいという葛城の願いを聞き入れ、楓が所属していた演劇部に入部することを決める。

 葛城からの頼みと自分の好奇心から、雨宮楓が中心となっていた演劇部に入り込んだ慎也。そこで楓の裏の顔を探ろうとするのだが、今回は学園ミステリということもあり、犯人捜しよりも演劇の話がメインだったような気がして少し物足りなかった。そして警察官が突然教育実習生とか、いくら親戚とはいえ高校生をエスにするとか、ちょっと設定に無理があるかなぁ。

2019年1月7日

読書状況 読み終わった [2019年1月7日]

18/12/28 WOWOWで放送。2018年、日本映画。主演:岩田剛典、脚本:大石哲也、監督:瀧本智行。

 写真家・木原坂雄大(斎藤工)がモデルにしていた女性・吉岡亜希子(土村芳)が火に焼かれて亡くなった。火事になったのは木原坂が留守の間の出来事であり、戻ってきた時にはすでに助けられる状況ではなかったと罪には問われていなかったが、フリーライターの耶雲恭介(岩田剛典)は、木原坂は火事に焼かれる吉岡をわざと助けず、火に包まれる様を写真に撮っていた疑いがあると出版社の小林芳樹(北村一輝)にもちかける。当たれば儲けものだという上司の進言もあり、耶雲に取材続行をOKを出すと、木原坂の周辺人物をあたった耶雲は次々と木原坂の疑わしい過去や証拠を見つけてくる。

 なんとなく怪しいという予想通りではあったものの、疑わしい人物は二転三転し、複数の人物に対して「お前かよ」と思うこと数回。最後までうまくひっぱり、なるほどうまくまとめたなぁという感じ。なんで第二章から始まるのか、映画のタイトルはなるほどそういうことだったのかと、伏線もちゃんと回収されているし。

2019年1月2日

読書状況 観終わった [2019年1月2日]
カテゴリ 邦画

18/09/15 WOWOWで放送。2014年、日本映画。主演:藤原竜也&山田孝之、脚本:渡辺雄介、監督:中田秀夫。

 目を合わせることで他人を自由に操り、意にそぐわない者は殺すこともいとわない。そんな人生を歩んできた男(藤原竜也)はある日、町中でどうやっても操れない田中終一(山田孝之)と出会う。信じられない男は終一の周りの人間も次々にも手をかけ、終一の命をも狙おうとするが、終一は人間とは思えぬ驚異的な回復力で立ち向かっていく。

 最初はおもしろかったが、途中からグダグダ、最後は結局何だったのか、登場人物は一体どうしたかったのか、わからないまま終わってしまった。藤原竜也お得意の分野だったのだけど、それだけではもうダメでしょう。

2018年11月22日

読書状況 観終わった [2018年11月22日]
カテゴリ 邦画

 営業として働く伊東千秋と、大手居酒屋チェーン「山背」で働く藤井健介は、お互いが忙しいながらも暇を見つけては会い、一緒に過ごせる未来を夢みて充実した毎日を過ごしていた。しかし健介が繁忙店の店長を任されてからというものの、明らかに休んでいない健介は明らかに仕事に追い詰められていき、ある日突然、建物から飛び降りて自殺してしまう。残された千秋は健介の両親と共に「山背」と戦う決意をする。

 読んでいて本当にやるせない気持ちになってしまった。将来親の店を継ぐための勉強にとやる気を漲らせて入った企業がこれでもかというほどのブラック企業。責任感の強い人ほど“辞める”という選択肢を選べない。はたからみれば、「そんなのありえない」と思うことが日常茶飯事すぎて、それが普通かどうかももう判断できない。こういう人は一体世の中にどれほどいるんだろうか。遺された千秋らも、労働基準監督署が「労災」を認めても、一向に過失を認めようとしない会社と、いつまで戦い続けなければならないのか、お金と気持ちをどう奮い立たせ続けるか。一応一件落着な結末で良かったけれど、犠牲にしたものを考えると、全く割に合わず理不尽さが否めない。

2018年12月17日

読書状況 読み終わった [2018年12月17日]

WOWOWで放送。2017年、日本映画。主演:中島健人(Sexy Zone)、平祐奈、知念侑李(Hey!Say!JUMP)、脚本:保木本佳子、監督:英勉。

お嬢様である折山香琳(平祐奈)は16歳の誕生日、突然両親から結婚するよう言われる。最初は反発した香琳だったが、その相手が自分が一目惚れしていた鶴木尚(中島健人)だと知ると、一転して了承。まだ高校生である2人は周りに内緒で結婚し、一緒に住み始めることになるが、2人の新居となるオンボロな家についた途端、紳士だった尚の態度は豹変し、香琳にこれが政略結婚であることと、家庭内別居を言い渡される。一方、香琳の幼馴染の海老名五十鈴(知念侑李)は、突然「節約」などと言い出し、様子がおかしくなった香琳を訝しく思う。

 少女漫画趣味全開の作品のわりに意外とすんなり見れたのは主演2人の好演か。お嬢様で世間知らず、でも天然なだけで実は素直。きちんと教えてあげさえすれば一生懸命にがんばる平祐奈の姿は確かに可愛い。そしてそんな姿を見て、思わず“可愛い”と思ってしまう演技が自然で、すんなりイケメンに見えた中島健人。2人のやりとりにもほっこり。香琳の両親が高嶋政宏とシルビア・グラブで本物の夫婦だったのは笑った。

2018年11月15日

読書状況 観終わった [2018年11月15日]
カテゴリ 邦画

 決して見てくれがいいわけでもないのに男性3人を手玉にとり、結婚詐欺をしたうえに殺した容疑で逮捕された梶井真奈子。彼女を取材し始めた町田里佳は、男たちがなぜ里佳に夢中になったのか理解しようと彼女の生活をトレースしていくうち、いつのまにか誰よりも彼女にとらわれていく。

 決して見てくれがいいわけでもないのに男性3人を手玉にとり、結婚詐欺をしたうえに殺した容疑で逮捕された梶井真奈子。彼女を取材し始めた町田里佳は、男たちがなぜ里佳に夢中になったのか理解しようと彼女の生活をトレースしていくうち、いつのまにか誰よりも彼女にとらわれていく。

2018年11月4日

読書状況 読み終わった [2018年11月4日]

 幼い頃、故意ではなかったにせよある母娘に連れ去られ、
結果的に怪我をして失明してしまった宮下愛子。それから12年の時が経ち、愛子は中学生になっていた。母親の反対を押し切って友達とアーティストのライブに出かけた愛子は、
その会場から再び何者かに連れ去られてしまう。

 同じ人物が2回も誘拐される、そしてその事件に関わっているのはどうやら1回目の犯人の娘らしい!?と、どういう理由でそうなったのか、真相が気になってどんどん読み進んだ。また、全盲の視覚障害者の描写には初めて気づかされることばかりで、よく知らない人混みの中に行くことがどれほど大変なことか、全然わかっていなかったなぁと思う。異常なほどの真面目さと優しさは逆に人を傷つけてしまうという悲しい結末。しかしこの人物がここまで愛子を痛めつける残虐性は必要あったのかは謎。まぁ、これがあったから最後まで犯人とは結び付かなかったのだけれども。

2018年11月2日

読書状況 読み終わった [2018年11月2日]

 元彼に一度だけ撮らせた裸の写真がネットに流出していたことを偶然知った井出菫は、激しいショックを受ける。なぜ、どうして。そして彼と出会ったあの頃に思いをはせる。

 リベンジポルノを題材とした作品。その日からすべてが一変してしまった(ように感じる)主人公と、それを知った家族、親友、そして元凶の元カレ。読み始めた時は、悪意をもっての流出かと思ったが、そういうわけではなくて、この元カレもなぜ流出したのかわからず原因を探そうとする。2人が初めて会った頃や、なぜ別れることになったのかなどが、2人が暗渠をたどる旅と共に丁寧に描かれている。でも、私には退屈だったかなぁ。自分にはありえないと、主人公に完全には共感できないのが原因なんだろうけど。菫が勇気をもって告白したのに、それに対しての咲坂さんの対応には「ひどい」と思いつつ、主人公に対してこう思わない気持ちがないとはいえない。うん。

2018年10月30日

読書状況 読み終わった [2018年10月30日]

 大手商社に勤める栄利子は仕事ができる反面、同じ会社にはもちろん、プライベートでも友達が全く作れないでいた。そんな栄利子の今一番の楽しみは、自分とは全く違う生活を送る主婦・おひょうのブログを読むこと。彼女のブログに登場するお店や景色から、もしかしたら近い所に住んでいるのかも…と思っていた栄利子だったが、ある日、そのおひょう本人と思われる人物に遭遇する。嬉しくなって声をかけ、楽しくて仕方がない時間を過ごした栄利子は、彼女ともっと親しくなりたいと思うのだが…。

 最初のほんの数ページで、この栄利子がとんでもない人物だということがわかる。こりゃあ友達できんわ。開いた口がふさがらない論理や行動の数々。どこまでも自分に都合のいい思考回路はうすら寒いほど。ここまで人との距離感がとれない人っているのか…よくこんな人物像が描けるなぁとこれだけで脱帽。他にもおひょうや、寿退社する真織など、それぞれ怖くてイタいけど、女としてどこかわかる部分があるからまた恐ろしい。これを読んだ男性が、女性恐怖症にならないことを祈る(苦笑)。

2018年8月18日

読書状況 読み終わった [2018年8月18日]

 人が無残に殺されたカエル男連続猟奇殺人事件から11か月後、事件の関係者でもある御前崎教授の家が何者かに爆破され、現場からは飛び散った血や肉片の他、あの稚拙なひらがなの犯行声明文が見つかった。前事件のカエル男・当真勝雄は精神鑑定で責任能力無しと判断されたため入院措置となったが、すでに退院しているという。渡瀬と古手川は情報提供を名目に千葉県の現場へと向かう。

 『連続殺人鬼カエル男』まさかの続編。これは俺の事件だと意気込む古手川と渡瀬が前回の事件の関係者らにあたっていくことになるが、そこでもちろん会ったのが有働さゆり。
ということは…!と思ったら、やっぱり出ました御子柴先生!他作品とのリンクも楽しみつつ、誰が今回の犯人なのかわくわくしながら読んだ。そしてまた最後、気になる終わり方。まだ続けるつもりなんだろうか。

2018年10月24日

読書状況 読み終わった [2018年10月24日]

18/6/12 WOWOWで放送。2017年、日本映画。主演:中川大志、脚本:中川千英子、監督:川村泰祐。

 鳥など動物は大好きだが、人とはうまくコミュニケーションがとれず、付き合いを避けていた女子高生の岡村ニノン(飯豊まりえ)は、クラスでは人気者の吉良ゆいじ(中川大志)が1人で泣いている姿を目撃してしまう。自分にも普通に話しかけてくれた吉良にときめいていたニノンは思わず、「365日、私が一緒にいてあげます!」と声をかけてしまう。実は吉良は心臓に病気を抱えており、医者から余命1年を宣告されていたが、ごくわずかな人間にしかそのことを知らせていなかった。ニノンのことを最初は面白がっていた吉良だったが、自分を笑顔にしてくれようと一生懸命な姿を見て、少しずつ惹かれていく。
 
 ストーリーはまたラブコメの王道で、地味女子×モテ男子。今回はそれに謎の心臓の病が絡んできて、命に限りがあることによって今生きる意味を見出せなかったり、ようやく見つけた好きな人と歩みだそうにも、命に限りがあるために周囲に反対されてしまったり。ニノンや友達(葉山奨之)、病気仲間(平祐奈)とのやりとりは、ヘタすれば安っぽい青春ストーリーなんだけど、葉山くんとキラのやりとり(演技)が凄く良かったのでそうは感じなかった。あとはただひたすら中川くんが美形でかっこよかった(笑)。謎だったのはニノンの両親と吉良は昔からの知り合い?どういう関係だったのかがよくわからなかった。

2018年8月13日

読書状況 観終わった [2018年8月13日]
カテゴリ 邦画

18/04/07 BS日本映画専門チャンネルで放送。2015年、日本映画。主演:戸田恵梨香と松坂桃李。脚本:古沢良太。監督:石川淳一。

 対人恐怖症の新田あゆみ(戸田恵梨香)は、一夜を共にした牧野亘(松坂桃李)の子供を妊娠。電話でそのことを伝えるが、エイプリルフールだったために本気にとりあってもらえない。意を決したあゆみは、他の女・麗子(菜々緒)とデート中のレストランに乗り込む。

 一応メインあゆみと牧野みたいだけれど、その他のキャストもかなり豪華で、複数の話が同時進行で進んでいる。そしてその登場人物や物事がちょっとずつ絡み合っている感じ。どれもエイプリルフールの“嘘”をついている人たちの話だけれど、悪い嘘というよりは、相手を思いやっての嘘が多い。1番泣けたのは櫻小路文子(富司純子)&櫻小路佑麻呂(里見浩太朗)夫婦の嘘。宇田川勇司(寺島進)のヤクザ(?)は似合いすぎで、でもその娘・江藤理香(浜辺美波)とのやりとりがなんともいえず温かい気持ちになる。そして松田(窪田正孝)の無駄使い具合すご!(笑)

2018年7月18日

読書状況 観終わった [2018年7月18日]
カテゴリ 邦画

18/4/14 WOWOWで放送。2017年、日本映画。主演:山本美月&伊野尾慧、脚本:山岡潤平、監督:神徳幸治。

 安達もも(山本美月)は、見た目がギャルなため勘違いされやすが、実は純粋にとーじ(真剣佑)を思い続ける普通の女子高生。しかし学校で女子達に人気の岡安浬(伊野尾慧)にちょっかいをかけられたり、友達だが人の物を欲しがる柏木沙絵(永野芽郁)にとーじへの想いを知られてしまい、意図せぬタイミングでとーじに自分の気持ちを知られてしまう。しかしとーじは思いを受け止めてくれたため、付き合い始めたのだが…。

 最初は応援する立場で登場しながら、いつしか誰よりも主人公の味方になっていて、存在感を示し始める浬。確かに伊野尾くんは適役かもと思うけど、やっぱり年齢に関してはももも含め、もうちょっと若いキャストの方がよかったんじゃないだろうか。なぜ沙絵のような子といつまでも友達でいるのか、もものお人好しさは私には理解できない。ただ、複数の男達に思いを寄せられるという少女漫画にはありがちなシチュエーションでの振る舞いとしては、最近の作品には珍しく好感のもてるもので、どっちを選ぶとしても幸せになってほしいなぁと思える主人公像だった。しかし好きな女が危険なところにいる友達のところに行くのに、1人で行かせるなんてありえないでしょうとーじ。

2018年7月1日

読書状況 観終わった [2018年7月1日]
カテゴリ 邦画

 西日本国際空港では、全身純金でできた「誘惑の女神」をはじめ、多数の宝石が展示されることが決まった。しかしその輸送を行う警備会社に、次々と怪文書が送り付けられる。内容はいずれも、輸送は狙われているため、西空の成嶋優弥を同行させろというものだった。成田など他の空港には死んだといわれていた伝説のテロリスト・アウレリオを名乗る者から犯行声明らしき文書が送り付けられており、成田国際空港に出向していた砂村も呼び寄せられる。

 ROMESを使って空港を守ろうとする成嶋側と、アウレリオを名乗る男をヘッドとした犯行グループの視点が交互で描かれる。なぜ成嶋が名指しされたのか、保険会社ヒンデルとテロリスト・アウレリオとの隠された関係、過去の恩師と決裂した理由など、成嶋の過去も紐解かれる。犯行メンバーそれぞれは優秀だが、それぞれがアウレリオと名乗る男に対して疑心暗鬼になっていたり、協力者にするはずの女に惚れてしまったりと次第に内部分裂していく犯行グループ。人間vs完璧なシステムROMES。いつかこのROMESを突破する人間が現れれば、成嶋の意識は変わるのだろうか。

2018年7月6日

読書状況 読み終わった [2018年7月6日]
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