知り合いの週刊誌記者・間戸村さんに頼まれ、バイクで芸能人を追いかけお金を稼ぐ僕・坂木錠也は恐怖というものを感じたことがない。施設にいた時、そういう人のことを「サイコパス」と呼ぶのだと聞かされた。

 この作家さんお得意の仕掛けにまたまんまと騙される。おもしろかったし、読み進んだのは読み進んだが、最後の戦いがもう、現実離れしすぎて浮いてしまったのが残念。また、サイコパスって世の中そんなに多いものでしょうか(^^;

2021年10月13日

読書状況 読み終わった [2021年10月13日]

21/04/03 WOWOWで放送。2020年、日本映画。主演:中村倫也、脚本:吉野耕平、監督:吉野耕平。

 幼い頃に遭った事故により、曜日ごとにそれぞれ違う人格が出て毎日を生きる男(中村倫也)。中でも“火曜日”は1番真面目で地味なため、他の人格から片づけを押し付けられたり、病院で安藤先生(きたろう)の診察を受ける役回りだった。家には時折、一ノ瀬(石橋菜津美)という女性がやってくるのみで特段楽しみも無い。しかしある日、いつもは火曜日にしか目を覚まさない“火曜日”は、水曜日にも目を覚ます。初めての出来事に戸惑いながらも、いつもは閉まっている図書館に出かけたり、そこで会った瑞野(深川麻衣)にときめいたりと初めての曜日を謳歌する。

 発想がおもしろい作品だなぁと思った。実際にはこんなにきれいに7人の人格が曜日を決めて入れ替わることなどありえないんだろうけど、もしこういう人物がいて、突然ある曜日が消えたとしたら、他の人格はどうするのか。喜ぶのか、困るのか。今回の主人公も、最初は喜んでいたけれど、次第に他の人格の代わりができないことで困ることが増えたり、統合を望む人格と対立することになってしまったりと、なんだか切ない気持ちになってしまう場面も。キーパーソンは一ノ瀬で、この人物は一体何者なのか、どういう理由で家に通い詰めているのか。ちょっとしたトリックもあったりで、わかったうえでもう一度見直してみたら、また別の発見がありそうな気がした。

2021年10月2日

読書状況 観終わった [2021年10月2日]
カテゴリ 邦画

 女性が拉致され、その女性が身に着けていた物や、最後には身体の一部が切り取られて家族に送り付けられる「肌身フェチの殺人者」という異名をもつ犯人が世間を震撼させていた。しかし不動産売買で名をあげた「ザイゼン」の取締役社長・財前彰太は、違う意味で恐れ慄いていた。自身が興信所に勤めていた18年前、ある老人から聞いた事件の犯行内容と瓜二つだったからだ。そしてその18年前の事件の犯人は、彰太がある工作をしたがために、逮捕されることもなく、世に放たれたままだった。

 作中でも出てくるが、「因果応報」という言葉がぴったりな内容。自身の行いは自身に返ってくる。主人公を含め、秘密をかかえた人物が多く、それが少しずつ明かされ、あれよあれよと繋がっていくのはミステリとしてうまいなぁと思う。少し出来過ぎな感じがしないわけではないし、黒幕の正体もわかりやすいといえばわかりやすいので、衝撃を受けるという程ではなかったが、楽しめた。

2021年9月15日

読書状況 読み終わった [2021年9月15日]

19/12/20 WOWOWで放送。2018年、中国・香港映画。主演:ハンギョン、脚本:Liang Su、ウ・ショウ、リー・ビン、監督:リー・ハイロン。

 オタク生活を満喫するハオミン(ハンギョン)は香港警察から、過去にハッカー対決で対戦したことがあるゼブラ(リディアン・ヴォーン)が、裏世界で仕事を請け負い、ハッカーとして金を得ていると聞かされる。そして、もしかすると手を組みたいと接触してくるかもしれないと言われる。するとその通り、程なくしてゼブラが接触を試みてくる。裏社会の大物で能面師のモリタケシ(山下智久)から依頼され、インフラ管理システム「オアシス」をハッキングするためにはどうしてもハオミンの力が必要なのだという。ハオミンは内密に香港警察と連絡をとりながら、ゼブラと共にオアシスのハッキングを試みる。

 期待していなかったからか、思ったより楽しめた。山ピーは悪者の役だったのか。台詞は全編英語。しかし最後、1人で逃げ回ってたのはなんか滑稽だったなぁ。

2021年9月5日

読書状況 観終わった [2021年9月5日]
カテゴリ 洋画

18/09/06 BS映画専門チャンネルで放送。2017年、日本映画。主演:妻夫木聡、脚本:向井康介、監督:石川慶。

 週刊誌の記者である田中は、大手の会社に勤めていた夫の浩樹(小出恵介)と、美人で上品な妻の友季恵(松本若菜)、そしてひとり娘の3人が何者かに刺殺されていた1年前に起こった未解決事件である田向一家惨殺事件をあらためてもう一度取材し始める。関係者たちが1年経って改めて語ったのは、善良な夫婦と思われていた2人の別の顔だった。そして実は、田中にも編集長にしか明かしていない事情があった。妹の光子が、自らの子供を殺した容疑で逮捕されていたのだ。

 「お前かよ!!」というのが一番の感想か。どんでん返しというか、途中で衝撃を何回か味合わされたが、やっぱり最後のが一番えげつない。暗いし、救われない話だけど、ミステリーとしてはおもしろかった。嫌いじゃない、こういうの。ただ気になったのは、なぜ田中がこの田向一家を改めて取材したいと自ら申し出たのか。こうなることがわかっていたのか、偶然なのか。

2021年9月2日

読書状況 観終わった [2021年9月2日]
カテゴリ 邦画

 殺人罪の時効が撤廃されたが、平成七年に起こった、一人娘の小岩井薫を遺して一家3人が惨殺された小岩井事件についてはそれが適用されず、限りなく疑わしい鮎沢誠二を逮捕することができないまま、ついに時効を迎えてしまう。しかし鮎沢は時効が成立した途端、自首して自分が犯人であることを認める。

 時効が成立した小岩井事件と、主人公の原村が妻を殺害された時効撤廃対象の殺人事件、2つの事件について描かれる。同じ被害者という立場でありながら、なかなか心を開くことができない原村と薫。事件を追い続ける刑事や加害者の息子の不良少年など、最終的にいろいろ繋がっていたけれど、ちょっとご都合主義かなぁと。

2021年9月3日

読書状況 読み終わった [2021年9月3日]

19/11/15 WOWOWで放送。2018年、日本映画。主演:平野紫耀、脚本:高橋ナツコ、監督:佐藤祐市。

 和泉凛(平野紫耀)、春名優羽(桜井日奈子)、坂下暦(玉城ティナ)、藤蛍太(磯村勇斗)は同じマンションに住む幼馴染。凛と優羽はお互い初めて会った時から好きになっていたにも関わらず、凛は優羽に対して冷たい態度しかとれず、優羽はそのせいでどんどんネガティブ思考になり、自分に自信がもてずにいた。そんな中、近くに和真(伊藤健太郎)という男子が引っ越してくる。和真が優羽に近づくのが気に入らない凛は、優羽に“彼女(仮)”になるよう命令する。

 キャスト全員のビジュアルが良いのは認めるけど、内容は完全に中学生向けだなぁ。監督の名前で少し期待してたんだけど。そもそも、本人がうじうじする流され女子ながら、誰からも可愛がられ守られる優羽というキャラクターがまず好かん(苦笑)。そして冒頭の、素肌に白シャツのボタンを留めさせるシーンはどう必要だったのか全くわからない(^^;

2021年9月2日

読書状況 観終わった [2021年9月2日]
カテゴリ 邦画

 10年前にスタートした「ナイトステーション」。当時周りの誰もが反対する中、奥野香奈子は立花耕一の起用を押し通した。最初の視聴率こそふるわなかったものの、2年目からはうなぎのぼりに上がり続け、いまやNHKさえ敵ではない。しかし当の立花は、次の契約更新を迷っていた。

 放送界の専門的な話がどうしても読み進まず。冒頭に出てくる男のアンダーグラウンドな感じも。

2021年8月7日

読書状況 読み終わった [2021年8月7日]

21/05/01 WOWOWで放送。2012年、日本映画。主演:福士蒼汰&吉沢亮、脚本:長谷川圭一、監督:小中和哉。

 無気力に毎日を送る大学生の浅尾幸雄(福士蒼汰)。道を歩いている時に突然光に包まれたと思ったら、次にいたのは警察の取調室で、自分には5人の人間を殺した容疑がかかっているという。訳が分からず混乱する浅尾に、弁護士の生方紗和子(関めぐみ)は、ここが25年後の未来で、死刑制度が廃止された代わりに「未来犯罪者消去法」が制定され、将来犯罪を犯すことになる人間を過去から連れてきて、遺族の前で公開処刑することになっているのだと教える。全てのことは量子コンピューター「アマテラス」が管理しており、間違いは無いというが、そんなアマテラスに疑問を抱く者もいた。ライズマンと名乗ったハッカー(吉沢亮)は、端末を使って浅尾が脱出できるように手引きする。

 絶対に間違いは無いという「アマテラス」が、同姓同名の人物を取り違えるという超初歩的なエラーを犯したことから始まる話。もうちょっと高度なエラーは無かったんだろうか。完全にSFだけど、同姓同名の浅尾とのやりとりはまるでジャイアンとのび太のようだし、いまいちおもしろいとは思えず。眼鏡姿の吉沢くんのビジュアルは良かった。

2021年8月8日

読書状況 観終わった [2021年8月8日]
カテゴリ 邦画

 紗耶香と同じく長い闘病生活を送っていた庄野祐樹が、別の治療法に切り替えるとして退院していった後、自宅で急死した。看護師からそれを聞かされた紗耶香と犬養は告別式に参列。祐樹の遺体には奇妙な痣がみられ、式には同業者も張り込んでいた。遺族は痣については何も知らないと言い切るが、犬養は虐待の疑いをもつ。

 今回は先進医療や宗教、自由診療について問題提議作か。健康保険の効く治療ではもう回復は望めないとなった時、人は一体どうするのか。高額でいかにも怪しいとわかっていながらも、藁にもすがる思いで一縷の望みをかけて頼るのか。また犬養が悩みそうなネタをうまく題材にしたなぁと感心。いや、これはもちろん自分にも言えることで、自分や自分の大切な人がもしそうなったら、一切手を出さずにいられるのか断言できない気がするから恐い。さて、今回の他作とのつながりはなんと、『ヒートアップ』以来の七尾究一郎!犬養とは初対面。情報屋のようにグッドアシストをしてくれる。

2021年7月30日

読書状況 読み終わった [2021年7月30日]

21/07/24 WOWOWで放送。2020年、日本映画。主演:吉高由里子&横浜流星、脚本:登米裕一、監督:三木孝浩。

 自身が車を運転していた時に事故を起こし、一緒に乗っていた両親と自らの両眼の視力を失った柏木明香里(吉高由里子)。通勤途中にある駐車場の管理人室に寄り、そこでオジサンと一緒にドラマを観ることが日課となっていたが、そのオジサンがいつの間にか元キックボクサーの篠崎塁(横浜流星)に変わっていたことに気づかず、話しかけてしまう。塁もまた、自分の本当の年齢や身の上などを言い出せないままだったが、いつしか明香里と過ごす日常に安らぎを感じ始めていた。

 美男美女、そして風景など綺麗な映画だったなぁと。盲目になってからたった数年のわりには日常生活やら点字やら上手すぎでは?と思ったり、あまりにもいきなり視力が回復しすぎだし、自分がこの立場だったら二度と車の運転はしないけどなぁとか、気になるところはまぁあるけれど。2人のすれ違いのジレンマだったり、想い合うがために離れる切なさだったり、楽しんでは観られた。

2021年7月25日

読書状況 観終わった [2021年7月25日]
カテゴリ 邦画

 夫の雄一郎と別れ、今は高校生の一人息子・文彦と2人暮らしの佐知子。教習所の教官だった年下の犀田(さいだ)と関係を重ねるようになったのは、雄一郎から再婚した亜沙実の娘・冬子が付き合っている相手だと知ってからだった。ある日も犀田と会った後、佐知子は少し離れたところに息子らしき人物を目撃する。見られたのか確信が得られなかったが、それを文彦に聞くこともないまま、文彦はゴミを捨てに行ったまま姿を消してしまう。そして翌日、佐知子は犀田がホームから転落して電車に轢かれて即死したという新聞記事を見つける。

 恋やら性やら、思春期(には遅いか?)独特の悩みというのはもちろんあるんだろうけど、文彦の失踪理由やその後の展開はちょっと無理があるかなぁと。昔からなぜか男を惹きつける体質で、そのせいで酷い目にもたくさん遭ってきたという亜沙実がそうさせた、ということなんだろうけど。いまいち現実味が無くて、心情が理解しきれず。

2021年7月23日

読書状況 読み終わった [2021年7月23日]

18/10/02 日本映画専門チャンネルで放送。2015年、日本映画。主演:松田翔太、脚本:井上テテ、監督:堤幸彦。

【Side-A】人数合わせに呼ばれた合コンでマユ(前田敦子)に出会った鈴木。読書が好きという共通の趣味が功を奏し、2人は何度かデートを重ね、やがて付き合うことになる。人生で初めての恋愛に鈴木は有頂天になる。【Side-B】東京への栄転が決まり、マユを静岡に残して遠距離恋愛することになった鈴木。最初は週末ごとに静岡に帰っていたが、東京で同僚の石丸(木村文乃)と知り合ったこともあり、だんだんマユに会いに帰ることが億劫になっていく。

 あらすじを書くのが難しいこの話。原作を読んでいたので、実はカラクリを知った状態で映画を観たのだが、それでも楽しめた。呼び方であっけなく浮気がバレる男と、そうならないように早々に対策を立てる女。主演は松田翔太とのことだけど、いや、どう考えても前田敦子でしょうと思ってしまう。ハマリ役。ただ、映画の最初の注意書きはいらないかなぁと思う。あれによってすごく構えたり、どういうことか探りながら観てしまったらもったいない。何も考えずに普通に観て、最後の最後の「はぁ?」というのを味わってほしい。ただ、ネタを知っていても、最後の答え合わせで“うまいなー”と楽しめるけど。

2021年7月9日

読書状況 観終わった [2021年7月9日]
カテゴリ 邦画

 長岡修というフリーライターが何者かに絞殺されて亡くなった。彼は光源町に建設予定のスーパー・テクノポリス計画の取材を反対運動を兼ねて行っており、その計画の中心人物でもある代議士の大賀に関するネタを追っていたらしい。そして彼が所持していた名刺の中にはなぜか湯川のものも含まれていた。

 嘘はついていないものの、今回の湯川は草薙や内海にぎりぎりまで本当のことを打ち明けず、誰よりも真相に先にたどりつき、教え子の間違った行動を自らも犯罪をおかす覚悟でくいとめる。だんだん人間らしくなっていく湯川が今作でも。なんか読んだことあるような…と思ったら、以前刊行済みの短編を大幅加筆したものだとか。

2021年7月1日

読書状況 読み終わった [2021年7月1日]

 人材派遣会社「ミネルバ」を経営する紀ノ川由希子は、妻子がいるとはいえ、一緒にいると安心できる久原啓治、そして彼が返った後に来て自分を癒してくれる派遣ホストのテルとの生活をそれなりに楽しんでいた。そんな中、由希子は自らの会社に登録する槇ありさについて、気がかりなことを聞く。派遣先に元夫が現れて、金を無心しに来たというのだ。

 物語終盤でどんでん返しというか、ある登場人物の印象がガラリと変わる展開。あぁ、こういう人はやっぱり存在してしまうのだなぁと、少々お節介ではと思いながらも割と好印象の主人公が少し可哀想になってしまった。知らぬは主人公ばかり。しかし裏でテルが絡んでいるのをつきとめられない警察は無能な気がする。

2021年6月16日

読書状況 読み終わった [2021年6月16日]

21/05/13 WOWOWで放送。2021年、日本映画。主演:岩田剛典、脚本:西条みつとし、監督:佐藤祐市。

 転校してきたヨッチ(山田杏奈)を含め、キダ(岩田剛典)とマコト(新田真剣佑)の3人は、皆両親がいないという複雑な家庭環境に育ったこともあり、いつも一緒に過ごしてきた。大人になってからもキダとマコトは、小さな自動車整備工場で一緒に働いていたが、ある日、ぶつけてしまった車を直してほしいとどこかのお嬢様らしいリサ(中村アン)がやって来ると、マコトは「彼女に近づくためにはどうすればいいか」と興味を示し、突然仕事を辞め、キダの前から姿を消す。やがて整備工場も立ち退きが決まり、雇い主(大友康平)から次の就職先を紹介される。行方不明になったマコトの消息もわかると言われ行ってみるが、そこはいわゆる“裏社会”で、キダは「交渉人」として仕事をすることになる。

 過去と現在が入り混じりながら展開していくが、観る側は、マコトとヨッチは結婚するはずだったのにどうなったのか、キダがマコトに抱く感情は嫉妬なのか心配なのか、リサへのマコトの気持ちはどういうものなのか、最後まで揺さぶられながら観ることになる。最後の20分で何かが起こるという触れ込みだったが、なるほど、そういうことかと。友情や愛情が信じられる結末でありながら、嬉しいような悲しいような複雑な感情になったが、ストーリーとしてはとても面白かった。満足。キダのその後を描いた作品がdTVであるとか。気になるなぁ。

2021年6月19日

読書状況 観終わった [2021年6月19日]
カテゴリ 邦画

 男からの暴力や薬物依存などに苦しむ女性のシェルター「新アグネス寮」は、突然の火事に見舞われ、聖母のような代表の小野尚子と、盲目の榊原久乃を失う。残された者たちは絶望にうちひしがれるが、そこに警察から衝撃の事実が告げられる。焼けた遺体は「小野尚子」では無かったというのだ。

 全534ページ。ものすごく分厚い本だったものの、この人の話なら大丈夫だろうと思っていたのだが、びっくりするくらい読み進まず。どうやら小野尚子に成り代わっていたのは半田明美という人物で、連続殺人犯かもしれない…ということで、過去に小野尚子の取材もしたことがある記者の山崎知佳と海外まで飛んで真相解明していく話なのだが、どうにもこうにもダラダラとしか感じられなかった。残念。

2021年5月27日

読書状況 読み終わった [2021年5月27日]

18/01/07 日本映画専門チャンネルで放送。2016年、日本映画。主演:藤原竜也、脚本:後藤法子、監督:平川雄一朗。

 売れない漫画家・藤沼悟(藤原竜也)は日頃から、突然少し過去に戻ってしまうという現象に遭遇していた。“リバイバル”と名付けたその現象が起こるのは、決まってなにか事件が起こる少し前。戻った時に違和感を感じとることができれば、その事件を未然に防ぐことができることもある。そして悟は、北海道から出てきていた母親が、自分の部屋で何者かに殺されてしまった時、今までで最大のリバイバルに遭遇する。戻ったのはなんと、悟が小学生の頃。この頃実は、悟のクラスメイトが連続誘拐殺人事件の被害者となってしまい、悟もよく知る年上の“ユウキさん”が犯人として捕まったのだ。
 
 原作は未読。ドラマ版を先に観ていたけど、驚くくらい撮影風景や構成は似た感じ。忠実に再現しているということなのかなぁ。後半がちょっとシンプルになって、結末がバッドエンド(?)だったくらいか。映画ならではのものを期待したけど、それは無かったなぁ。

2021年5月27日

読書状況 観終わった [2021年5月27日]
カテゴリ 邦画

21/05/01 TBSチャンネル1で放送。2017年、日本映画。主演:佐藤健&土屋太鳳、脚本:岡田惠和、監督:瀬々敬久。

 飲み会で出会った尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)の2人は順調に愛を育み、結婚を約束。そして式場まで予約していたある日、突然麻衣の様子がおかしくなる。2人で行ったはずの場所を覚えていないと言い始め、頭痛を訴え、そしてありもしないものを見て錯乱、昏睡状態に陥る。彼女は300万人に1人というとても珍しい病にかかってしまっていた。それから数年、尚志は毎日のように病室を訪れ、自撮りで様々な動画を撮り、いつか麻衣が目覚めた時に見られるようにとメールを送り続ける。

 本当に実話なのかこれ、というのが正直な感想。こんな男の人、本当にいるのかと。そこまで付き合いが長いわけでもなく、まだ結婚前で、いつ目覚めるのか、もしかしたら一生目覚めないかもしれない人を、ここまで献身的に尽くして寄り添って。目覚めたはいいものの、脳の機能も身体もどこまで回復するかは未知数。奇跡的な回復をみせても、自分に関しての記憶だけどうしても思い出してもらえず、逆にずっとそばにいつづけることが重荷になってしまっているのだと気づくと、自分の気持ちを押し殺し、それまでの自分の数年をまるで無かったかのように身を引く。こんなことができる人が果たしてどれだけいるのか。健くんが演じるこの男性の朴訥で一途な様子がまた突き刺さる。嘘でもいいからハッピーエンドにと思いながら観ていたけれど、話のモデルの方達も、結婚して子供まで産まれたとのことで本当に良かった。人間の身体はすごい、人の想いってすごいと、素直に感じさせてくれる作品だった。

カテゴリ 邦画

◆第一話 もの言えぬ証人
◆第二話 像は忘れない
◆第三話 鉄の棺
◆第四話 葬儀を終えて
◆第五話 復讐の女神

 以上5篇の連作短編集。和光市にある司法研修所の教官として招聘された静は、健康診断で訪れた病院で、大腸がんの検査を受けるためにきていた玄太郎とばったり出くわし、先々で起こる事件に一緒に首をつっこむことになる。

 入院することになってしまったため、介護士のみち子さんがずっとついているわけにもいかず、代わりにお世話を頼まれてしまった静。相変わらずの傍若無人ぶりの玄太郎に呆れながらも、今回は現役に時の同僚が謎の死を遂げてしまったり、自分の娘が亡くなってしまったりと、玄太郎を頼らざるをえない状況も多々。事件自体は前回よりはとっつきやすく、読みやすかった。司法修習生として静に目をかけられていた岬洋介やがちらっと登場したり、幼い円も登場。また、玄太郎が自分の死ぬときの状況について、畳の上で穏やかに死ねるとは思っていないという趣旨のことを話しており、自分の最後が炎にまかれるような死に方だったのがわかっているかのような発言をしていたり、名古屋に帰っていく玄太郎の背中を見送った時、静が今生の別れを感じていたりと、『さよならドビュッシー』を知っているととても切ない。

2021年4月15日

読書状況 読み終わった [2021年4月15日]

 キャリアウーマンとして働いていた亜矢子は、妊娠を機に不本意ながらも家庭に入る。そこで付き合うことになったのは、毎日低レベルな会話を飽きもせずに続けるママ友達。他のママ友とは少し違い、なぜか独身でありながら輪の中にいる時恵になんとか諫めてもらいながらママ友達との付き合いを続ける亜矢子だったが、ストレスはどんどん積み重なっていく。

 亜矢子目線と、どうやら亜矢子が卒業したのと同じ学校で学生生活を送っている謎の人物の目線で交互に話は進んでいく。学生時代から容姿端麗で勉強もトップの人間が与えられる“クイーン”として君臨していた亜矢子は、成人してからも相変わらずの自信とプライドでママ友達と対峙するが、それがことごとく裏目に出る。確かにこの主人公、間違ったことをやっているとは思わないのに、残念ながら味方してあげたくなるような気持ちにならない。自分は誰かに羨ましがられることはあっても、疎まれることがあるとは考えもしないで生きてきたんだろうなぁ。全部を読むと、少なくとも3人から悪意を向けられていることがわかり、あぁ、やっぱり女って怖いと思い知る。

2021年4月2日

読書状況 読み終わった [2021年4月2日]

19/11/05 チャンネルNECOで放送。2014年、日本映画。脚本:斉藤ひろし・塩田明彦、監督:塩田明彦。

 市民体育館で、山本つかさ(北川景子)ら障害者チームがボッチャをしようと予約したのと、小柳雅己(錦戸亮)ら社会人チームがバスケットボールをしようと予約したのが、手違いでブッキング。決して引かずに生意気ともとれる態度でつっかかってくるつかさに興味を覚えた小柳は、自分のタクシーに乗せてつかさを家まで送り届ける。彼女は足が不自由で車いす生活なだけでなく、記憶障害も抱えていた。

 出会いから付き合い、周りの反対を押し切って結婚という、流れは特に映画化するようなものでもなくごく一般的な展開。…と思ったら、これは実話に基づくそうで。映画の初っ端、つかさがもう亡くなって、シングルファーザーとして小柳が自分との馴れ初めを子供に語るところから始まっているので、最後は悲しい展開なんだろうなと思ったけれど、赤ちゃんを産んで少し後に突然「急性妊娠脂肪肝」という障害の有無に関係なく妊婦の1万人に1人が罹る疾患で亡くなってしまう。これがまた、字幕で表されるのが逆に物悲しくて。母子ともに健康というのは当たり前のことではなく、本当に幸せなことなんだと痛感する。

2021年4月8日

読書状況 観終わった [2021年4月8日]
カテゴリ 邦画

 年下の恋人と同棲しながら物書きの仕事をしている夏帆は、38歳になって今でも、母親の美紀子にとらわれている自分に気がついていた。

 「毒親」という言葉は出てこないものの、これも一種の類なのだろう。とにかくこの、コテコテの大阪弁を貫く母・美紀子のキャラクターが強烈で、この人にずっと関わらなければいけなかった夏帆の葛藤・苦悩がものすごい。機嫌が良い時と悪い時の落差がものすごかったり、父親やその愛人に対して“女”を殊更主張し、その対象を娘にまで向けてくるところだったり、自分を過剰に演じる姿だったり、読んでいるだけでしんどくなってくる部分もしばしば。でも、自分の性の奔放さを母親譲りと決め込んでいる娘も娘かと思う部分もあったり。後半、美紀子がおそらく認知症を発症したことにより、圧倒的だった存在が少しずつ弱っていくのを見ての、夏帆や父親の変化も見どころかな。かなりの長編で、単行本だとかなりの分厚さ。読むには少し覚悟がいるが、しんどいのに途中で読むのを辞めようとは不思議と思わなかった。

 海岸で女性の死体が見つかり、所持していた運転免許証に「笘篠奈津美」と名前があったと、宮城県警の刑事・笘篠誠一郎の元に連絡が入る。それは東日本大震災で行方不明になった妻の名前だった。取り急ぎ駆け付けた笘篠だったが、そこにいたのは妻とは似ても似つかない別人。そしてその後、別の現場で発見された遺体も、社員証と身分が一致しないことが判明する。

 「護られなかった者たちへ」に続く「宮城県警シリーズ」第2弾。シリーズというからには、これからも続くのかな?笘篠と蓮田が登場するのはもちろん、本作ではなんと五代の過去が掘り下げられる。その過程で前作の利根もちらっと出てきたり。東日本大震災は、人の命を奪っただけでなく、人の中にある大切なものも奪ってしまったということで、ある人物が震災の前と後で“境界線”を越えてしまった様子が描かれている。死生観が変わるという一言では片づけられない。ミステリーとしてはどんでん返しも無く単純なもの。それより震災の恐ろしさや人や物事の儚さ、そんなものを考えさせられた1冊だった。

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