お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力・・・・・・はこう「動いた」

著者 :
  • KADOKAWA (2015年12月11日発売)
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『お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」 』
著者: 大村大次郎  発行日:2015年12月11日発売
評価:★★★★☆  (所要時間:3時間)
読破冊数: 15/100冊


■こんな人におすすめ
・今までの世界経済の一連の流れを確認したい人
・学生の頃、世界史とか歴史とかよく解らなかった・興味をもてなかった人
・経済と政治、戦争の相互作用を知りたい人
・怖いもの知らずの人


■概要
元国税調査官が5000年の歴史にガサ入れ。
たとえば―ローマ帝国滅亡は「脱税」が原因だった!
楽しく読むだけで歴史の本質がつかめる。
(amazonより)


■この本から学んだこと

☆まじでお金は大事なこと。
1人、一国の富の独り占めから国内や世界経済の崩壊が始まること。
大事なのは、お金の囲い込みではなく
循環と、調和!

☆「本当に世界を動かしているのは、政治や戦争ではない。お金、経済なのである」
本全体は、冒頭に書いてあるこの文句の意味がよく解る内容となっている。

どこの国も相当の理由や思惑があって条約を結び、
破棄し、領土を侵略し、買い上げる・・・。
その理由や思惑こそが、お金なのだ。
とにかくお金の影響力すごすぎ。

☆歴史的には非常に若い国・アメリカは、どうして押しも押されぬ経済大国になったのか?
第一次世界大戦で「被害を受けなかったアメリカ」ばかりが取りだたされるが
もっと大きな要因、エネルギー革命があった・・・
エネルギー源の主流が、石炭から石油に変わったのだ。

・・・これによって世界の石炭産出量85%を占めていたイギリスは、超大国から滑り落ち
大量の石油を抱えていたアメリカが、その地位に取って代わったのだ。
(石油というと中東のイメージが強いが、これは第二次世界大戦後に、本格的に開発が始まったものばかりだそう)

☆世界恐慌はアメリカではなくドイツから始まった!?
第一次世界大戦の敗北・・講和条約のベルサイユ条約で
ドイツは、過酷すぎる損害を被ってしまう。
(これがのちのナチス台頭の原因に!)

なんと、賠償金が原因で通貨価値が1兆分の1のハイパーインフレに!
産業は瀕死状態で、国内は失業者だらけ!

・・・ここに出てきたのがヒトラー率いるナチス。
ヒトラーは政権に就いてわずか3年で失業者を減少させ、ドイツ経済を回復させた。
この不況対策の成功によって、ヒトラーはドイツ国民に熱狂的に支持されるようになった。
(狂ったように領土侵略に乗り出すのは、その後である)

☆ユダヤ人が経済界最強の理由
ユダヤ教の教えを集めた「タルムード」には次のような文言があるそうだ。
「富は要塞であり、貧苦は廃墟である」
「人を傷つけるものが3つある。
悩み、諍い、空の財布。そのうち空の財布がもっとも人を傷つける」

ユダヤ人の思考が具現化したものが資本主義・・・
そう言わしめた「遊牧民」の行く先の、都市が金融センターになる。

実際、ユダヤ人がアムステルダムに住み着いたときはアムステルダムが、
ロンドンに住み着いたときはロンドンが、世界の金融センターになった。

そして近代から現代、彼らの多くはニューヨークに住んでいる。
(イスラエルよりも多い!)

だからアメリカは、世界の金融センターなのか。
・・・ユダヤ人、日本に来てくれないかなぁ。

☆現在、世界の富の半分は1%の富裕層が握っていると言われているそうだ。
俗にいう「格差」問題である。

それに輪をかけて、世界規模での富裕層の税金逃れ・・・いわゆる「タックスヘイブン」問題。
富裕層が税金を逃れ、中間層以下にそのしわ寄せが行くとき。
それはイコール、国が傾くとき!?

この状態がフランス革命前のフランス社会に似ていると、著者は警笛を鳴らしている。
このまま貧富の拡大が続けば
世界規模でのフランス革命が勃発!?
・・・しないでほしい。


≪目次≫
①古代エジプト・古代ローマは“脱税”で滅んだ
②ユダヤと中国―太古から“金融”に強い人々
③モンゴルとイスラムが「お金の流れ」を変えた!
④そして世界は、スペインとポルトガルのものになった
⑤海賊と奴隷貿易で“財”をなしたエリザベス女王
⑤無敵のナポレオンは“金融戦争”で敗れた
⑦「イギリス紳士」の「悪徳商売」
⑧世界経済を動かした「ロスチャイルド家」とは?
⑨明治日本の“奇跡の経済成長”を追う!
⑩「世界経済の勢力図」を変えた第一次世界大戦
⑪第二次世界大戦の“収支決算”
⑫ソ連崩壊、リーマンショック―混迷する世界経済

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感想投稿日 : 2017年8月15日
本棚登録日 : 2017年8月15日

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