哲学的な何か、あと数学とか

著者 :
  • 二見書房 (2008年12月11日発売)
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感想 : 109
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↓ここ好き。

p.231
 本当に大事なのは、「人間は、そんな何の役に立ちそうもない問題や謎に、その短い人生を賭けることができる」という事実のほうにある。
 この世界には、知的に面白いと思える問題が存在し、それに人生を賭けられる人たちがいることを僕たちはもっと誇ってよい。そして、それらの問題に取り憑かれ、人生を奪われた人たちも含め、すべての知的探求者に敬意をはらうべきだ。
 何千年もの間、人類がつちかってきた学問という世界は、不可能とさえ思える絶望的な問題に立ち向かおうという人間の情熱の上に成り立っているということを忘れてはいけない。
 人類が滅亡するまでに、決して解かれることはないだとうと言われた難問に対して、おしげもなく、その人生を捧げ、果敢に立ち向かっていった人々の矜持(きょうじ)を忘れてはいけない。
 xⁿ + yⁿ = zⁿ
 こんなちっぽけな数式に、人生を賭けたものたちがいたことをどうか忘れないでほしい。
 そして、この物語は決して終わらない。
 数学の世界には、証明されていない未解決問題はまだまだたくさんあるからだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年12月14日
読了日 : 2019年11月21日
本棚登録日 : 2019年12月14日

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