みずうみ (新潮文庫)

  • 新潮社 (2008年11月27日発売)
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感想 : 233
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特別な関係のふたり。こんなの恋愛じゃなくてボランティアだ、なんていってるちひろちゃんが可愛かった。恋愛っていってもカップルごとにいろんな形があって全部違う人間の組み合わせだから、お互いがリンクする幸せのかたちもそれぞれ違う。この2人ってなんだか特別だなって思って読んでたけど、途中から普通ってなに?って思えてきた。話を引き出してスッキリさせてあげるのも愛情、なにも聞かずにそっとしてあげるのも愛情。
この2人の間には、相手に対する欲がない。こう接してほしいとか、こういうとこ直してほしいとか。ありのままの相手を見守ってて、相手の幸せを心から望む。親子愛や兄弟愛に近いものも感じた。
お互いがそういう人間だからこそ成り立つ関係性。自分の今と照らし合わせて、ちひろが中島くんに対する気持ちなんか、結構共感する部分が多かった。このストーリーに今の自分を肯定されたようで良い気持ちになった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年8月19日
読了日 : 2016年8月19日
本棚登録日 : 2016年8月19日

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