バカの壁 (新潮新書)

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レビュー : 1075
著者 :
chikamonさん  未設定  読み終わった 

養老さんがいろんな本とか対談の中で語ってきた要素がギュッと凝縮されてる感じ。
放っておいても出てきちゃうのが個性とかって言われると、個性を求められるコミュニティの中で育ってきた自分からすると救いのように思えた。馴染むこと、他人の気持ちと寄り添うことでいいんじゃん、と。
養老さんには長生きしてほしい、もっとこれからもいっぱい養老さんの言葉を聞きたい。



▼以下メモ

イデオロギー
人間の行動を左右する根本的な物の考え方の体系。観念形態。

蓋然性
その事柄が実際に起こるか否か、真であるか否かの、確実性の度合。

語感から入力して運動系から出力する間、脳は何をしているか。入力された情報を脳の中で回して動かしているわけです。この入力をx、出力をyとします。すると、y=axと言う一次方程式のモデルが考えられます。何らかの入力情報xに、脳の中でaと言う係数をかけて出てきた結果、反応がyと言うモデルです。
この回と言うケースは何かと言うと、これはいわば「現実の重み)とでも呼べばよいのでしょうか。人によって、またその入力によって非常に違っている。通常は、何か入力xがあれば、当然、人間は何らかの反応する。つまりyが存在するのだから、家もゼロではないと言うことになる。



本来意識と言うものは共通性を徹底的に追求するものなのです。その共通性を徹底的に確保するために、言語の論理と文化、伝統がある。
人間の脳にも特に意識的な部分と言うのは、個人間の差異を無視して、同じにしよう、同じにしようとする性質を持っている。だから、言語から抽出された論理は、圧倒的な説得性を持つ。論理に反すると言う事はできない。

知ると言う事は、自分がガラッと変わることです。したがって、世界が全く変わってしまう。見え方が変わってしまう。それが昨日までとほとんど同じ世界でも。

意識にとっては、共有化されるものこそが、基本的には大事なものである。それに対して個性を保障していくものは、体であるし、意識に対しての無意識といってもいい。

具体的なりんごを見ている場合と、りんごをイメージしろと言った場合で、実は脳内の資格家ではほとんど同じ活動が起こる。そうでなくては、イマジネーションだけで絵を描くことはできない。
つまり、リンゴと言う言葉が意味しているものは、一方は外からのりんごだけれど、もう一方は脳の中でのりんご活動です。リンゴと言う1つの言葉が、その両面を持っている。このことは、西洋語の中に極めてわかりやすい形で出てくるから、まず西洋哲学の問題になったのです。

仕事が専門家していくと言う事は、入出力が限定歌詞されていくと言うこと。限定化すると言う事はコンピューターならば1つのプログラムだけを繰り返しているようなものです。健康な状態と言うのは、プログラムの編成替えをして常に様々な入出力をしていることなのかもしれません。

「自己実現」などと言いますが、自分が何かを実現する場は外部にしか存在しない。より噛み砕いて言えば、人生の意味は自分だけで完結するものではなく、常に周囲の人、社会との関係から生まれる、と言う事です。とすれば、日常生活に於いて、意味を見出せる場はまさに共同体でしかない。

利口、バカを何で測るのかと言えば、結局、これは社会的適応性でしか測れない。例えば、言語能力の高さと言ったことです。
社会的に頭が良いと言うのは、多くの場合、結局、バランスが取れていて、社会的適応がいろいろな局面でできる、と言うこと。逆に、何か1つのことに秀でている天才が社会的には迷惑な人である、と言うのは珍しい話ではありません。

人間の反応は、刺激に対して神経細胞が反応するかどうかで変わる。

サラリーマンというのは、給料の出所に忠実な人であって、仕事に忠実なのではない。職人というのは、仕事に忠実じゃないと食えない。自分のつくる作品に対して責任を待たなくてはいけない。

学問というのは、生きているもの、万物流転するものをいかに情報という変わらないものに換えるかという作業。

バカの壁と言うのは、ある種、一元論に起因すると言う面があるわけです。馬鹿にとっては、壁の内側だけが世界で、向こう側が見えない。向こう側が存在していると言うことすらわかっていなかったりする。

レビュー投稿日
2019年3月15日
読了日
2019年3月15日
本棚登録日
2019年2月23日
2
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