少しネタバレ、巻末より→
この絵本の主人公〝カオジロガン″についてお話しします。
2011年6月、北極のスバールバル諸島へ旅をしました。そのとき、帆船に乗った私の頭上を「クアッ、クアッ」と鳴きながら6羽のカオジロガンが飛んでゆきました。いつかは会いたいと思っていたので、とても感動しました。この季節は繁殖期です。卵をうみ、ヒナを育てている時です。ヒナの成長はとても早い。なぜならば、9月にはこの地をはなれ、親たちといっしょに飛んで、南の越冬地に旅立たなければならないからです。そこはイギリスや北海沿岸で、3000キロ以上も遠くなのです。約1ヶ月飛びつづけます。若鳥たちにとって困難のすえに到達する「新しい世界」。カオジロガンたちに大昔から受けつがれてきた「約束の地」なのです。そのことを描きました。
ところで、カオジロガンの家族を追いこしていった鳥の大群、大岩壁の鳥たちは〝ウミガラス″です。カラスぐらいの大きさで、立って岩の上にとまるので、白と黒のもようも手伝って、まるでペンギンそっくりでした。この風景にも実際に出会ってきました。北極はとても「生命」にあふれる地でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
絵本
- 感想投稿日 : 2014年5月15日
- 読了日 : 2014年5月15日
- 本棚登録日 : 2014年5月15日
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