晩菊・水仙・白鷺 (講談社文芸文庫)

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本棚登録 : 58
レビュー : 6
著者 :
ちまやさん 日本文学   読み終わった 

森光子のせいで影が薄くなっているが、間違いなく大作家だと思う。『晩菊』はババアになった元芸者が主人公で、昔ちょっといい仲だった男を家に迎える話だが(コレットを意識していた?)、そのババア芸者の余裕に見せつつ寂寥を漂わす風情がすばらしい。最後、男が完全に変わってしまったことを悟って、昔の写真を火鉢にくべるのだが、何気なくそこに男が土産で持ってきたチーズをひと切れ入れちゃうとこが、またうまい。おそらく部屋がチーズ臭くなってかなわないと思うんだけど、それがまた何とも寂しい。『白鷺』『松葉牡丹』『牛肉』、どの短編も皮肉をきかせながら最後に希望をあえて見せる感じで、ただただうまい。

レビュー投稿日
2012年6月4日
読了日
-
本棚登録日
2012年4月23日
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