太陽の季節 (新潮文庫)

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本棚登録 : 804
レビュー : 120
著者 :
ちまやさん 日本文学   読み終わった 

外観と内実が合わないことへの苛立ちがテーマとしてあるらしい。「先端的な学風」を押しつける学校とそれを装う学生達とか、理科の解剖の授業で「鰯」の代わりに「鯉」が配られるとか、あるいは「約束手形」の切り方とか、すべてがaccountの標準で裁かれる。それは人間関係においても同じで、だから「借りを返せよ、いや、俺の貸しを返してくれよ」というのが一つの「モラル」になり、そこから「抵抗される人間の喜び」というマゾ的な世界が広がる。障子にあれを突き立てるシーンだって、女が投げつけた本がペニスに当るところが重要なのであって、やっぱり貸借勘定なのである。西洋的なブルジョワ道徳の典型。

故落語家や某芥川賞作家へ発言を見てると、いまだに著者は抵抗されるのを待ってるんじゃないかと思う。「借りを返せよ。いや、俺の貸しを返してくれよ」

レビュー投稿日
2012年2月6日
読了日
-
本棚登録日
2011年11月7日
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