3代の警官を描くミステリー…の上巻。まだ途中なので感想を書ける段階にはなっていないのだけれど、下巻を早く読みたいっと思える面白い作品なので上巻の状態で感想書いてみる。
上巻は、終戦直後に警官になった安城清二の物語と、その息子である安城民雄の物語の途中まで。
安城清二の物語は、(たぶん)伏線のためのストーリー。終戦直後の混乱した状況の中で警官になった男のドキュメンタリーのような内容。戦後の状態、その中で起こっていたこと、そして、彼の周りで起きた2つの迷宮入りの事件。彼の人生では解決できず、そして、だれも重要視していない2つの事件。
その息子、安城民雄の物語は、父の背中を見て育った彼が警官になってからの話。学生運動が盛んな時代、彼は赤軍への潜入捜査に組み込まれる。その話もドキュメンタリーのような内容。そして、それが一段落したところで、ふと、父親が関わった事件について考え始めるきっかけに出会う……というところまで。
最初は「ドキュメンタリー小説なのかしら?」と思って読んでました。ドキュメンタリーとしても興味深く読み進める物語だったけれど、上巻を読み終わった時点で、どうやら清二が気にしていた事件の謎が全体をまとめる謎なのかな?…と思える感じに(下巻で全然違うかもしれないけど、ネタバレはご容赦のほど)。読み進めば読み進むほど、先が知りたくなる。
下巻が楽しみ。
そして、もう1つ興味深かったのは、刑事(警官)のPTSDについて語られていること。
佐々木譲さんの別の警察小説である道警シリーズ(「笑う警官」〜)でも扱われている話題。ドラマや映画でのカッコいい刑事像しか知らなかったので、知ることができてよかった、と思える話題でした。
- 感想投稿日 : 2012年10月11日
- 読了日 : 2012年10月11日
- 本棚登録日 : 2012年10月11日
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