小説の言葉尻をとらえてみた (光文社新書)

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本棚登録 : 19
レビュー : 4
著者 :
chinobooさん 一般教養・科学・医学   読み終わった 

辞書編集者の飯間浩明さんが、小説の中に入り込んで用例採集している、という本。面白かった。

小説というのは、ストーリーを楽しむもの…のはずなのだけど、そこに入っていった辞書編集者さんが、最近の15の小説の中に出てくる気になった言葉を調べたり解説したりしてくれます。最近使われて始めて辞書に載ってない言葉だったり、誤用と言われている言葉が実際にはむしろ本来の言葉だったり、作者さんに特徴的な言葉だったり、方言から地域を探ってみたり。

小説を「読んで」解説してくれるのではなくて、小説の中に「入り込んで」解説してくれるという形式を取っているのがツボ。ときには、登場人物たちと直接話をして、用例採集してみたり(笑)。

「舟を編む」を読んで、辞書編集とはどんなものなのか上澄みだけは知っていたけれど、実際には、言葉に敏感に過ごして、気になった言葉を徹底的に調べて、そしてその言葉の発生や成長(?)や衰退を見守ったり予測したり、なんだか深くて面白いものなのだなと思いながら読みました。


取り上げられている15の小説のうち、私が読んだことがあるのは数冊だけ。でも、読んだことのない小説についても楽しく読ませてもらいました。言葉を追求するというのが主な目的ではあるものの、「作品紹介」にもなっているのが面白い。宣伝用に書かれたレビューよりも、もうちょっと踏み込んだ内容紹介になっていて、どの作品も「読んでみたい(続きが知りたい!)」と思ってしまいました。

電子書籍で購入したので、いつでも気が向いた時に読み返せるから、次に読む本に悩んだ時に、もう一度読み返して、次に読む本を決めるヒントにしたいと思います。

レビュー投稿日
2017年11月14日
読了日
2017年11月14日
本棚登録日
2017年11月14日
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