読んで旅する世界の名建築 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2004年2月17日発売)
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本棚登録 : 108
感想 : 10
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簡単に読み終えた。新書ってここまで簡単に読めるものになったんだ、と感じた。
しかしこの文章では教授になれないんじゃないかと勝手に心配した。ここまでお手軽な文章で、しかも時折家族自慢し、しかも実はそう旅慣れていない。どうも本人は旅慣れていると思っているようだが、とてもそうは思えない。しかも建築についての底が浅い。いや、それは入門書として書いたからかも。
悪口を書くとこんな感じになるが、しかし、個人的には面白く読んだ。(つまり自分が編集者だったらこの人にこの本を書かせようとは思わなかったが、一読者として勝手に編集者の納得ではないところで納得したということ。)一人の人間が世界各地の建築を見て思ったことを通して現代建築に至る歴史を簡単に見せようとしたひとつの結果がこの本なのだ。その意味では興味深い。
とはいえ、編集者はあまりいい仕事をしていない。全編の中でただひとつのコラム、というのも考えが浅い。構造に馴染んでいない。きっと著者にはこの話は入れてほしいが、枠が違うとか、そういう間抜けなことを言ったんだろうなと思う。そうじゃなくて、ひとつの筋を本の中で作りたかったらコラムではなく、それなりの場所があっただろうなと思う。著者の気持ちを組みつつ、ひとつのきちんとした思考の流れをこの本に持ち込むことができたのに、それが阻止されている。
はっきり言おう。編集者がもっと建築についてのしっかりした知識を持ち、その上で著者が「軽い本ですから」と言われつつも言いたいことを持っていることに気が付いていたら、この本の出来は数段よくなっていただろう。残念ながらそういうことはなく、この本は軽い建築紀行になってしまっている。拍子抜けしつつ、この著者の今後についてはチェックしたいと思った。
とはいえ、建築というのは体験しない限り判らない。それは確かだ。けっこう本の中でいいこと書いてるんだけど、なんだか上滑りになっている。そこが残念。

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感想投稿日 : 2007年1月29日
本棚登録日 : 2007年1月29日

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